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生徒会室は寵愛の鳥籠(ONE PIECE長編学園パロ)

第13章 自由を求める男


「んんぅ、っ」

セナは息苦しさに身を捩るが、ローはそれを許さない
角度を変えて、何度も何度も唇を食むと舌を絡ませる

「は、ぁ…ン」

ピチャピチャと、粘膜の擦れ合う音が静かな室内に響く
酸欠で頭がボーッとしてくるほど、長い時間唇を重ねた

ようやく解放された頃には、唇はうっすら痺れを帯び
飲み込みきれなかった唾液で濡れ光っていた

「ん、っは…ッ」

大きく息を吸い込み、肺が酸素を取り込もうと上下する
そんな様子をただ見下ろすローを、恨めしげに睨みあげた
視線が絡めば、薄く口元に笑みを浮かべる

「テメェが傷付くだけだと思ってんなら、とんだ見当違いだ」
「?どういうこと」
「お前が俺の側を離れるなら、俺が傷付くことくらい分かるだろ」
「…あ」

いつだってセナを溺愛するロー
その側を離れて辛いのは、悲しいのは自分だけだと思っていた

『そんなわけ、ない…』

ワケもわからず愛する者を失うのは、ローの方だ
そして同じく大事な友達を失うのは、自分の周囲の人たちだ

それで、みんな傷付かないわけがない

「1人で抱え込んでんじゃねェ」
「ッ」
「俺たちは、お前にとってそんなに頼りない存在なのか」

たった1人のセナが頼り切ったところで、共倒れするような仲間など誰もいない
ローも周りのみんなも、頼ってくるなと言ったことなどないのだ

「ごめん、なさい」
「ったく、やっと分かったか」

優しく額に口付けて、優しく微笑むローに色々な感情が込み上げてくる
ホロリとその頰を涙が伝った

「ホント、バカだね…私」
「ああ」
「ちょっとは否定してくれてもいいんじゃない?」
「そうだったな。大バカだ、お前は」
「もうっ」

溢れてくる涙を舌で掬い取ると、くすぐったそうに顔を逸らそうとする
すると頰を挟んで固定され、涙の跡に唇が寄せられた

「も、ロー、っ」
「他に」
「え?」
「他に言うことは」
「えっと…」

何か言うことがあっただろうかと、考えを巡らせるが思い浮かばない
そんな様子に、ローはわざとらしく大きな溜息を吐いた

「ちょっと今いっぱいいっぱいなの!」
「お前は誰のモノだ」
「…ローの、もの?」
「なぜ疑問形なんだ」

コツンと軽いゲンコツを落とされた

「ドフラミンゴの女になんかさせるかよ」
「うん…ローの女で居たい」
「当たり前だろ」
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