生徒会室は寵愛の鳥籠(ONE PIECE長編学園パロ)
第13章 自由を求める男
「私は…ドフラミンゴの、女に、なるの」
「は…っ?!」
「だからローと、別れなきゃいけないのっ」
セナの口から出たそれは思い掛けない言葉で、ローは驚きに言葉を詰まらせた
しかし驚いたのはローだけでない、後ろで静かに聞いていたコラソンも瞳を見開き、無意識に持っていたタバコを握り潰している
レイリーは全てが分かっていたかのように、ただ静かにその光景を見つめていた
「ローのこと、殺すみたいに言ってた…でも、私が女になれば、手は出さないって」
「…んな、」
「この学園のことも、私がなんとかする。だから、大丈夫…私1人で、全てが丸く収まるなら「ッふざけんな!!!」
廊下にまで聞こえそうなほどの大声で、ローが叫んだ
幸いこの校舎は特別教室ばかりの棟なので、授業中の今は問題なかったが
「コラさん達悪い、こいつと2人にしてほしい」
「ロー…ちゃんと、冷静になれよ。セナちゃんも」
「タイムリミットは昼休みだ。それまでは何とか誤魔化しておこう」
去り際にコラソンとレイリーはそう言い残し、保健室を後にした
室内は静寂に包まれ、2人の間には沈黙が流れる
ローは身を起こし、ベッドサイドのパイプ椅子に腰掛けた
セナはベッドの上に腰掛けてローに向き合う
「…ドフラミンゴと何があったのか、一から話せ」
「話して何が、」
「…バカだな、お前」
「はっ?!」
じりじりと近寄ってくるローを避けようと後ろに引けば
端に寄せられたベッドの壁に行き着いたところで、ドンッと長い両腕に再び追い込まれるような形になる
「自分の身の安全が欲しくて、テメェの女を『はい、そうですか』と他の男に差し出すワケねェだろ」
「でも、っ」
「この学園の奴らもそうだ、1人の女如きに守られるような輩じゃねェ。特にお前の"友達"連中はな」
セナの周りにいるみんなは、友達を犠牲に平和を生きるくらいなら、友達と共に平和を取り返す連中だ
ローに至っては、まずセナを手離すわけがない
それを簡単に"別れる"と言ってのけた彼女が腹立たしい
「さっきからお前の言葉に、俺がどれだけ傷ついたと思ってる」
「それは、」
「俺の想いを見くびってんじゃねェ。言っただろう、どんなことがあっても逃さないと」
「んぅ」
言葉も呼吸も奪うように、細い腕を壁に縫い付けて深く唇を重ねる