生徒会室は寵愛の鳥籠(ONE PIECE長編学園パロ)
第13章 自由を求める男
「お願いだから、信じて…」
必死に懇願するような声音で、ローの心情に訴えかけようとする
もはや理由などあったものではないと、言っているようなものだ
「…」
「?わぁっ」
仰向けに上半身だけベッドに寝ていたセナの上に、腕の力を抜いて圧し掛かるようにするロー
体重がかかる圧迫感の息苦しさに、胸が詰まるような感覚に陥る
「ロ…くるしっ、」
「俺は」
「?えっ」
「俺はそんなに、頼りねェか」
絞り出すような小さな声で、ローがボソりと呟く
レイリーやコラソンには聞こえていないが、唇が耳元に近かったセナにははっきりとその声が聞こえた
余りにも気落ちしたような力のない声に戸惑い、答えに迷っていると本当に息が止まりそうなほど
強く強く力を込めて抱き締められる
「…ろ、ぉっ」
1ミリの身動きも取れない
このまま、死んでしまうのではないかと思うくらいに
そうできれば、どれほど幸せだとセナは想ってしまう
愛する人の腕の中で、愛されたまま死んでゆけるのなら
『ずっと、このままでいたい』
でもそれが叶わないことも知っている
"俺の女になるか"
私が愛しているのは、ローだけ
だからこそ
"ローが見るも無惨な姿に変えられるか"
『絶対に、そんなことは…させない』
もう大切な人を、失いたくない
この身をもって、誰の命も自由も奪わせない
「聞いて、ロー」
「…?」
「私が愛しているのは、ローだけよ。たとえ、どんな相手に乱暴にされようと」
「ッ?!どういう、」
「どんなことがあっても、私は貴方を想ってる。それだけは、信じていて」
ローが信じていてくれるなら、私はそれだけで心穏やかに居られる
自らが望まない関係を強いられても、貴方に愛されているのなら耐えられるから
「だから、私を解放して?それが、貴方のためなの」
「…ダメだ」
「、ロー…!」
「言っただろう、俺を納得させる理由が無けりゃ…納得しないと」
そんな簡単に関係を終えられるほどの愛情じゃない
出会って日は浅いが、セナの居ない日々など既に考えられなくなっている
「どうしてっ、」
「さっきも聞いたが。そんなに俺は頼りないか?」
「そんなことない!…違うの、私は」
「なら理由は、なんだ」
少し身体を浮かせて、鼻がつくほどの距離で見つめ合う
「わたしは…ッ」