生徒会室は寵愛の鳥籠(ONE PIECE長編学園パロ)
第13章 自由を求める男
「それを、ルフィが聞きつけてしまって。それは烈火の如く怒ってしまったものだから、教室は大変だったんだよ」
「!ルフィのクラスの先生なんですか?」
「ああ、言い忘れていたかな?2-Dの担任で、数学教師をしている」
ドフラミンゴといい、レイリーといい
この学園の教師は、未だ知らない顔が多過ぎて対応に困る
「そうだったんですね……はっ!あの、私サボりじゃなくて、保健室に」
「わはは、さっきドフラミンゴに言ったのを気にしているのか。大丈夫、あれは口実だ」
妙な気配を感じ取って、この校舎へ足を運んだレイリー
気配からドフラミンゴが居ることも、他の人間がもう一人居ることも予期していたが
まさかそのもう一人の人間がセナだったとは思わなかった
「何もされていないかね?」
「、ッはい…大丈夫です」
『ああ…』
悪魔の実の能力とは別に、この世には“覇気”という色が存在する
海楼石でも封じ込められないその色は、人によって特性が変わるが
レイリーに至っては、3種類あるといわれる全ての覇気を操ることができた
『嘘の下手なお嬢さんだ』
ほんの少し意識を集中させ、見聞色の覇気でセナの心の先を読む
それは絶望にも満ちた鳥籠の中に一人佇む姿だけがあった
“大好き”
“愛してる”
目の前にはピンク色の羽根が舞う
暗示のように内心でつぶやく愛の言葉は誰に向けたものか
「まだ体調が優れないようだ、保健室で休むといい」
「ありがとう、ございます…」
保健室には誰も居なかった
ひとまず奥のベッドにセナを寝かせると、傍らのパイプ椅子を引き寄せ腰を掛けた
よほど精神的に疲弊していたのか、横になると深い眠りに落ちた姿をただまっすぐと見つめる
『ルフィが聞いたら怒りそうだが…それより』
ルフィの仲間意識も大概なものだが、今回はルフィ以上に怒り狂う存在がいるはず
こうなることを、きっと誰よりも懸念していた人物が
「さて、どうしたものか」
ガララッ
「…チッ、誰も居ねェのか」
「俺は大丈夫だって、ロ「階段から転がり落ちて頭から血ィ流して、何処が大丈夫なんだよ。コラさん」
声の主はローと、化学教師のコラソンのようだ
奥のベッドはカーテンが引かれているため、どうやらレイリーたちの存在に気付いていないらしい
「俺が手当てする」
「悪ィな」