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生徒会室は寵愛の鳥籠(ONE PIECE長編学園パロ)

第13章 自由を求める男


「シルバーズ・レイリー。なぜテメェがここにいる」
「授業を抜け出している生徒がいないか見回っていたら、物音がしたもんでね。そこに居るお嬢さんは、うちの生徒かな?」
「あっ、は、はい…あの」
「ひとまず此処を出ようか、老眼に暗闇は見えにくくて仕方ない」

レイリーと呼ばれた男は柔らかい物腰で話しているのに、レンズの奥の瞳は有無を言わさぬ強さを秘めていた
状況的にも今更この場にとどまる事も出来ないため、ドフラミンゴは渋々と薬品庫から廊下に出る
続いたセナも、ひとまずこれ以上の危機は逃れたと、内心安堵を吐いて薬品庫から出ると陽の光を浴びた
どれくらいここに居たのだろう、もう昼が近いのか陽の光は目に痛いくらいの眩しさで思わず目を細める

「学園長殿、ヴェルゴ事務長が探していたぞ。至急だそうだ」
「ヴェルゴのやつ…伝言聞いてやがらねェな…」
「とりあえず彼女の身は、私が一旦預ろう。ほら、早く行かないと困らせてしまうぞ?」
「チッ…覚えてろよ、シルバーズ・レイリー」


忌々しげに台詞を吐き捨て、ドフラミンゴは足早に校舎の奥へと消えてゆく
静かな廊下にはレイリーと、残されたセナの沈黙だけが重苦しく漂っていた

「セナちゃん、だね」
「は、…えっ、なんで名前を」

先ほど薬品庫の中では、セナを認識している様子はなかったはず

「この学園の者はみんな君を知っている。入学式にあれだけ派手に印象付けたんだ」
「ハハ…そうですよね」

どうしたって入学式にあったことは変えられない
ただ飛び入りで生徒会に入ったくらいなら、そうでもないかもしれなかったが
校内でも人気の高い生徒会長が、壇上にいきなり現れた女生徒を恋人だと堂々の宣言をした
否が応でも、出席していた校内全員の心にセナはインプットされてしまうのも無理はない
そしてどうやら、レイリーもその内の1人のようだ

「まぁそれだけではないがね、」
「え…?」
「ああ、そういえば申し遅れていた。わしはレイリー。レイさんと呼んでくれ」

ドフラミンゴに対して放っていた有無を言わせない雰囲気は一切消え、優しく穏やかなレイリーは話を続ける

「君のことはわしのクラスでも話題になっていたんだよ」
「レイさんのクラスで?」
「さらには生徒会長に恋い焦がれていた女子生徒が、君への嫌がらせを企んでいてね…」
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