生徒会室は寵愛の鳥籠(ONE PIECE長編学園パロ)
第13章 自由を求める男
「別に捕って食いやァしねェよ……」
「そん、なの…分からない、です」
「あァ、そうだな。確かに分からねェ…“今は”捕って食いやしねェだけかもなァ」
「ッ…!」
段々と暗闇に慣れてきた目が、目の前の大男の姿をぼんやりと浮かび上がらせる
先ほど"影武者”だと言っていた姿と、一寸も違わないように見える。しかし身体に回された腕は確かに感触があるようだ
「あの、ご用件はなんでしょうか」
セナは意を決して、目の前にいるドフラミンゴを見上げる
その表情は不気味なほど笑みを貼り付けて、此方を見下ろしていた
「用件、な…知りてェか?」
ドフラミンゴはニヤニヤと笑いながら、セナの頰に手を添える
その行動の意図がわからず、されるがままになっていると添えられた手が顎を掴みいきなり唇に噛み付かれた
「んッ?!」
咄嗟に逃げることは勿論かなわず、セナはドフラミンゴの乱暴な口付けを受け入れるしかなかった
後頭部には手を添えられ、抵抗しようと開いた唇の隙間から舌を差し込まれる
しかし黙って受け入れ続けるはずもなく、侵入してきた舌を思い切り噛んで抵抗を示す
「ッ…何をしやがる!小娘が!」
「いッッ…!」
痛みに唇を離したドフラミンゴが、糸を操りセナを宙に浮かせるとその首に一本糸を巻きつけた
ギリギリと喉に食い込むように、締め付けて行く
「く…っ」
「この俺に傷付けるとは、いい度胸じゃァねェか…予定変更だ」
「予定…?」
それは先ほど尋ねた用件に繋がるのだろうか
この男は何をしにこの学園へ赴いたのだろう
そしてなぜセナを捕らえるのか
「ローを呼び寄せるためだけにお前を使うつもりだったが……気が変わった」
「なんでローが?ローに、何をするつもりなの!?」
「フッフッフッ、自分よりローの心配かァ?泣かせるじゃねェか…」
「ローに何かしたら、私はあなたが誰であろうと許さない」
形勢的にどうにもできないことは分かっている。しかしドフラミンゴがローに手出しする気でいるかと思うと、黙っていられない
「なら条件をくれてやる。それでローには手を出さないでやろうじゃねェか」
「…条件は、なに」
「フッフッフッ、物分かりのいいヤツは嫌いじゃねェ。なァに簡単なことだ…俺の女になれ」
「…なに言っ、て…」
「それだけで、俺はローに手出しはしない」