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生徒会室は寵愛の鳥籠(ONE PIECE長編学園パロ)

第13章 自由を求める男


「影…?」

では目の前にいるドフラミンゴは、実体ではないというのか
気味の悪い感覚が全身を襲い、思わず顔を背ける

「?!なん、で…」

奇妙な状況に思わず顔を逸らしたとき、またもや自分の身体に違和感を感じた
掴まれていた髪の毛は既に解放されているし、腕も足も、何処にもドフラミンゴは触れていない
それなのに

「なんで私…浮いてるの…?」


セナの身体は、地に足が着いていなかったのだ
しかしフワフワと不安定に浮いているわけでなく、まるで宙吊りにされているような妙な安定感がある気がした

「フッフッフッ…お前はもう俺の手中にある」

ドフラミンゴの声と共に、自分の意志とは関係なく右腕が上に上がる

「?!?!」
「いいカオだなァ…セナ」
「なっこれ、なに…身体が、勝手に」

勝手に上がった腕を下げようとするが、なぜかピクリとも動かない
自分の身体のはずなのに、身体が言うことを聞いてくれないのだ


なにか仕掛けがあるのではないかと原因を探るように、唯一自由だった首を巡らし辺りを見回す
すると窓から差し込む朝日に、一瞬光るものを見止めた

「糸…?」
「気付いたか?…俺はイトイトの実の能力者。お前の身体はこの“寄生糸(パラサイト)”で俺に操られる人形となる」
「ちょっと、やだ…!」

セナの意志とは関係なく、身体が何処かへ歩いて行こうとする
本来の目的だった保健室を通り過ぎ、その奥にあった薬品庫の前で止まった
するとドアが独りでに開き、引っ張られるように身体が中へ招き入れられる

室内は薬品保管のためだろうか、暗幕が下りているのでまったく何も見えない
このままここに居れば、闇に溶け込んでしまうのではないかと不安になる
しかし一歩先の足元すら見えない状態で、動くことすらできずただ立ち尽くしていると

「きゃ…!」

再び身体が、勝手に動き出す
まるで全てが見えているように、何事もなく部屋の奥へと進んでいく
すると突然、闇の中から二本の腕が伸びてきて身体に巻き付いたかと思えば
腕の力によって勢いよく引き寄せられた

「、っぷ」

勢い余って顔面を何かにぶつけてしまう
硬い何かは、人肌の温度がした

それが誰か、なんて考えなくても分かってしまいセナは一気に全身を強張らせる
触れている腕の緊張を察したのか、嘲るような笑い声が降ってきた
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