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生徒会室は寵愛の鳥籠(ONE PIECE長編学園パロ)

第13章 自由を求める男


そう言うと男はググッと顔を近づけてくる
サングラスではっきりと見えはしないが、舐めるような視線が絡みつく気がした

「えっと、具合が悪いんで…保健室、に」

逃げ口上を考える余裕などなかったため、咄嗟に本当のことを話してしまう
なんかこんなこと、前にもあったような…?


「ほぉ、面白ェじゃねェか」
「お、面白い?」

何か面白いことなど言っただろうか…思い返してみても、どこにも笑える箇所なんてなかった

「気に入った、ちょっと来い」
「ッいや、見ず知らずの人について行っちゃいけないって…」

遠い昔、誰もが一度はお母さんに言われているであろうセリフ
当然誤魔化せるわけなどない

「俺の言うことが聞けねェってのか?フッフッフ…いい度胸をしてるじゃァねェか」
「お褒めに授かり光栄です…?」
「ますます気に入った、テメェの名を教えろ」
「や、それはちょっと」

『これから殺そうという小娘の名前なんか聞いてどうするの…?!』


未だセナの中では、目の前の男は(暫定)殺人犯なのだ
易々と名前を教えたりするはずが…

「言わねェと、」
「ッ白石、…セナです」
「フッ、ちゃんと言えるじゃねェか…セナ」
「はいっ」
「俺が怖いか?なァ、セナ」

名前を呼ばれるたびに、変な悪寒が走る
さっきから震えが止まらず、寒くないはずなのに自分を掻き抱くような格好で身を縮ませた

「怯えるこたァねェ…俺は、」


優しく頭に手を乗せられた
安心させるように撫でてくれようとしているのかもしれない

『悪い人じゃないのかも』


そう思ったのも束の間、勢いよく髪を掴んで無理矢理顔を上げさせられる

「い、っ!!」

「俺はこの腐った学園の、学園長だ」
「!!!」


『学園、長…この人が…』


―“天夜叉”の異名をもつ大男で―

―ドンキホーテ・ドフラミンゴ。その男の名だ―



この学園を一度破壊しようとした悪魔の実の能力者、そして


―俺の本当の名はドンキホーテ・ロシナンテ―

この男が、コラソンの実の兄


「離して、ッ?!」


思わず距離を取ろうと腕を突き伸ばして、違和感を感じた
手に何も、触れないのだ

しかしよく見ると突き出した両腕は、目の前のドフラミンゴに突き刺さっていた

「ヒッ…!」
「ああ、そいつァ俺の“影武者”だ」

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