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生徒会室は寵愛の鳥籠(ONE PIECE長編学園パロ)

第13章 自由を求める男


セナからは、2人が何を話しているのかが聞こえず不思議そうに見上げて首を傾げる
声を掛けていいものかと悩んでいると、キッドがローの身体を勢いよく突き放した
突然のことにローも予測していなかったのか、一瞬だけヨロついたようだ

「ッ何しやがる」

不意をつかれたローは、苛立たしげにキッドを鋭く睨みつける
しかしそんな事では臆しもしないキッドは、対抗するように目付きを細めた
そんな2人の狭間で、セナはどちらから止めれば良いのか狼狽えてしまう

「テメェから奪うモノなんざねェよ、バァカ」
「なら、セナに近付くな」
「それは無理に決まってんだろ、俺はコイツの親友だ」
「だから俺は認めてねェつってんだろ」
「セナの人間関係だ、テメェの許可は必要ねェ」
「そう言って、それが交換条件なんじゃないのか」
「ハァア?だから必要ねェつってんだろーが。なに言ってんだ」

「ハイハイ2人とも!その辺でストップ!!」

今にも殴りかかりそうな勢いだった2人の口元をそれぞれ手で塞ぎ、ヒートアップ寸前の言い争いをどうにか食い止める
何でそんな話をしているのか分からないけれど、ここまで言い合えばお互い様ではないのか

「なんかよく分からないけど、こんな所で言い争ってる場合なの?」
「…そうだった、忘れる所だったぜ」
「ああ、行くぞセナ」
「えっ、ちょっ」

いきなり手を引かれて、つんのめるようにローの後をついて行く
駆け足で隣に並ぶと、覗き込むように帽子の下の表情を伺った

「なんだ」
「なんの話をしてたの?」
「…気にしなくていい」
「私には、言えない?」
「そうじゃねェ…ただ、知らなくてもいいことだ」
「そう…」

いつもより目深に被られた帽子のせいで、さらにローの表情が読み取りにくい
これ以上追及したところで、何も変わらないことは分かった

「おっ、セナじゃねェか」
「セナちゃんおはよー」

あれからお互いに無言のまま、校舎へと向かっていると声を掛けられ足を止める
振り返ればウソップとカヤのカップルだった

「カヤちゃん、ウソップくんおはよう!」
「トラファルガー先輩もおはようございます」
「ああ」
「ちょっなんかトラ男の雰囲気怖ェエ…お前ら喧嘩でもしてんのか」

人一倍空気を読めるウソップが、漂う重苦しい雰囲気を感じ取った
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