生徒会室は寵愛の鳥籠(ONE PIECE長編学園パロ)
第12章 ちょっと一息つきましょう(*)
「入らねェのか」
「う、うん…ごめん」
「ハァ、上がる」
ザバァと立ち上がる音がして、浴室のドアが開く
肌を上気させたローが、不機嫌そうに立っていた…もちろん全裸で
「きゃあああああ!」
「ッなんだ、煩せェな」
「せめてタオル巻いてきてよ!!」
セナはみるみる真っ赤になり、脱衣所に置いてあったバスタオルを投げつけると背を向けた
心臓が飛び出そうなほどバクバクしている
「?今更恥ずかしいもねェだろ」
ローは髪をガシガシと無造作に拭きながら、小さな背中と覗く真っ赤な耳に首を傾げた
身体まで重ねた関係にも関わらず、そんなに恥ずかしいものかと素直に疑問らしい
「あのね、状況が違うでしょ?!」
「むしろ裸で抱き合う状況の方が恥ずかしいんじゃねェのか」
「なッ…!ていうか、いつもローは裸じゃないからね?!」
行為が始まればものの数分で生まれたままの姿にされてしまうセナとは対照的に、ローはせいぜい脱いで上半身のみ
ついでに言えば、行為の最中も別に恥ずかしくないわけではない
「そうだったか?」
「そうです!」
「まぁいい。入るんならさっさと入ってこい」
「ここ私の家なんだけど…」
そんな言われ方をすれば一体誰の家だか分からない
相変わらずどこか横暴で、上から目線のローに深く溜息を吐いた
「なにか言いたげだな」
「別に?入ってくるから、私の部屋で待ってて?」
「…分かった」
溜息に機嫌を損ねた様子で、渋々頷けば踵を返して浴室を出て行った
セナはその背中を見送ってから、着替えをカゴに置いて服を脱ぐ
使い慣れた浴室に入って一連の動作を行い、浴槽に浸かる
「ふぅ」
緊張の糸が切れたように、全身がやんわり緩む気がする
なんだかんだと、気にしてしまう性格が知らぬ間に緊張感を生み出していたようだ
しかしもちろん嫌ではない、ただなんとなく恥ずかしい
「すごく綺麗だった」
ほぼ初めて、マジマジと見てしまったローの身体を思い出して1人で真っ赤になる
無駄など一切ない均衡の取れた肉体は、芸術といえるほど美しかった
「ふふ、ローに言ったら怒られそう」
口に出そうものなら嫌そうな顔をするだろう。そんな想像さえ容易いほど、彼でいっぱいになっている
「そろそろ上がらないと、待ってるよね」
浴槽から出れば浴室のドアを開け、バスタオルを纏った