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生徒会室は寵愛の鳥籠(ONE PIECE長編学園パロ)

第12章 ちょっと一息つきましょう(*)


ボソリと呟いた言葉が聞こえて、真っ赤になってしまう
しかし今日は何故か、この話題がよく出る気がした

『結婚……本気なのかな?』

ローの思考はどこまでも読めない。ついつい、あれこれと考え過ぎてしまうほどに
そんな事を知ってか知らずか…どこから持ってきたのか、本を片手にお茶を飲んでいる彼をキッチンから見つめる
ふと此方を向いたので視線が交わり、慌てて逸らしてしまった

「おい」
「えっと、あ、あっ!お風呂!」

声を掛けられたところで思い出す
お風呂を張っていたのを忘れてた!急いで浴室に向かった
浴槽ギリギリで、どうにか溢れる事態は防げたのでホッと息を吐く

「お湯一杯になっちゃったけど、気にしないでね?お風呂先にどうぞ」
「俺が先だと勿体無いんじゃねェのか」
「大丈夫大丈夫!気にせずゆっくり入って来て!」

溢れてしまうお湯は勿体無いが、セナのうっかりが原因である
それよりもローが今日は朝からラミに付き合い、午後は一緒に行動していたので一日中疲れているだろう
そんなに広い風呂ではないが、ゆっくり疲れを癒してほしい

「一緒に入れば問題ねェだろ」
「やっ、それは…ほら、我が家のお風呂狭いから!ちょっと無理があるかな?」
「ちょっとの無理なら何とかなるんじゃねェのか。さっさと入っちまうぞ」
「ええっ、ちょっ」

自らのミスが、あらぬ方向へと話を進めてしまってセナは焦る
主にローが1人で話を進めて、しかもさっさと浴室に向かってしまった
これは後を追うべきなのか

『いやでも…恥ずかしい、し…やっぱり後で』

やる事も残っているし、と内心言い訳をして後を追うのは止めた
バスタオルなどは用意してきてあるし、問題ないだろう

ローが風呂に入っている間に、食事の後片付けと残っていた家事は済ませることができて一安心する
続けて風呂に入る用意をしておく

「そうだ、みんなに貰ったルームウェア…」

ソファの端に置いていた、可愛らしい紙袋を持ち上げてタオルと共に準備をした
しかし随分と経つが、ローが上がってくる気配がない

「え、大丈夫かな…」

まさか倒れてしまっているとか。そんな大きな物音はしなかったと思うのだが
慌てて浴室まで飛んでいくと、扉越しに声を掛ける

「ロー?大丈夫?」
「…遅ェ」
「?もしかして、待ってたの…?」

倒れているよりびっくりしたかも
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