生徒会室は寵愛の鳥籠(ONE PIECE長編学園パロ)
第12章 ちょっと一息つきましょう(*)
とても2人分とは思えない量が並ぶテーブルに、照れたような微苦笑を浮かべた
「明日も居るんだ、食い切る」
「あ、そうね。じゃあ食べようか!」
2人向かい合わせに座って手を合わせる
「「いただきます」」
料理に箸をのばすと緊張した面持ちで見つめるセナに、内心笑みを零す
煮物をひとくち、口に含むと咀嚼して嚥下する
「おいしい?大丈夫?」
「ああ、うまい」
「良かったぁ~…」
「これなんで形が違うんだ?」
もぐもぐと箸を進めながら、いくつかの形があるおにぎりを指さす
「具によって形を変えたの。分かりやすいでしょ?三角はツナマヨで、俵型はこんぶ、まん丸なのはおかかで、四角いのは鮭!」
「ほう、豪華だな」
三角のおにぎりを手に取り、先端にかぶりつく
程よい塩気とお米の甘みが口の中に絶妙に広がった
「?食わねェのか」
「えっ、あっ、ううん!食べるよ」
あまり表情には出ていないがローの雰囲気は、今日の料理が気に入ったことを教えてくれていたので嬉しくて思わず見入っていた
そんなことは言えず指摘されると慌てて、食事に手をつける
テレビの音をBGMに、他愛もない話に花を咲かせた
まだまだ、お互いの知らないことは多い。それを一つずつ埋めていくように
「ふぅ、お腹いっぱい」
話しながら食べていると、ついつい箸が進んでしまった
結構作ったはずの料理も、かなり減っている
「ごちそうさま」
「ふふ、お粗末さまでした」
ローに温かいお茶を差し出して、落ち着く間も無く食器を片付けはじめたセナ
茶を啜りながら、忙しなく動く姿を観察する
『よく動くな…』
自分が荷物を取りに行っているときも、洗濯をしていたようだし
共働きの両親に代わり、主に家事をこなしているのは彼女なのだろう
「先にお風呂入っておく?」
「まだ掛かるのか?」
「昼間やりかけだった事が残ってて」
「なら先に入った方が無駄じゃねェな」
そう返事を聞くと、一旦手を止めお湯を張りに浴室へ向かっていった
そしてすぐに戻ってくると、またキッチンへ向かう
「…あ、ごめん」
「なにがだ」
「せっかくローが来てるのに、バタバタしちゃって」
「別に、気にしてねェよ。むしろ」
何かを言いかけて、ふと茶を啜る素振りをするローに首を傾げた
「むしろ、なーに?」
「…いい嫁になるだろうな」
「!!」