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生徒会室は寵愛の鳥籠(ONE PIECE長編学園パロ)

第12章 ちょっと一息つきましょう(*)


目の前で始まった幼馴染同士のじゃれ合いに、青筋を立てたローがギロリとペンギンを睨みつける
呼ばれたペンギンは、青ざめ後ずさると踵を返した

「ひっ!お、俺帰ります…!じゃあな、セナ!!」
「…ッチ」

情けない声をあげて、しょうゆを持った手を掲げると逃げるように帰って行くペンギン
その後ろ姿にローは悪態を吐く

「もーなんでそんなに怒るかなぁ」
「、俺よりペンギンと居たかったのか。悪かったな」
「そうは言ってないでしょ!拗ねないでよ」
「…フン」

完全にご機嫌斜めの状態なようだ
これからまだまだ一緒の時間を過ごすのに、こんな険悪なムードで居られては堪らない

少し背けられた顔を覗き込むようにして、ご機嫌を窺うことにする

「夜ご飯、ローが好きなもの作るよ?何が、好き?」
「…別に、お前が作るならなんでもいい」

非常に嬉しい言葉なのだが、今ここで絆されてはいけない
少し間をあけて、いくつか候補を提案してみることにする

「中華料理とかもできるけど」
「……」
「洋食はどう?パスタとバゲットとか」
「パンは嫌いだ」

無反応に徹するかと思えば、思わぬ反応が返ってきた
心のメモに書き留めながら、次の言葉を考える

『パンが嫌いなのか、じゃあ』

「和食にする?」
「!、ッ」

一瞬ピクリと反応があったのを見逃さず、畳みかけるように言葉を連ねてゆく

「そうね、焼き魚と簡単な煮物。あとは定番のお味噌汁に、おにぎりだと「梅干しは入れるな」…ふふ、了解」

適当にメニューを並べたら、思いのほかお気に召したようだ
トゲトゲしていた空気はいつのまにか消え去り、膨らむばかりの期待がローを包んでいる
本人は決して表には出していない素振りなのが、なんだか可愛く思えて心の中で微笑んだ

「じゃあ早く買い物して帰ろう!」
「おい走んな、コケるだろうが」
「大丈夫!ローが助けてくれるでしょ?」

繋いだ手を見せるようにして、ニッコリ微笑むと呆れたような顔をされた
けれど本当は、嬉しいって思ってくれている。だって彼の口元が微かに緩んでいるのだから

「頼りにしてるんだからね?ダーリンっ」
「はっ?だッ…」
「よーしまずは野菜からねー」

なんだか楽しくなって言ってみたけど、恥ずかしくなってしまいそれ以上の言及はさせないようにしてしまう
ごめんね、ダーリン

「これと、これと…」

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