生徒会室は寵愛の鳥籠(ONE PIECE長編学園パロ)
第12章 ちょっと一息つきましょう(*)
「で、それよりなんで会長がココに居るんです?」
「あぁ、今日コイツの家に泊まることになった」
「はっ、マジですか??!」
帽子のせいでその表情は読めないが、心底驚いたように声をあげたペンギン
それもそのはず、セナの家には今誰も居ないことは当然知っている
寧ろセナの両親には、留守中のことを頼まれているくらいだ。もう1人の幼馴染シャチも同様に
「展開早すぎ…!」
いくら既に身体を重ねている関係とはいえ、付き合い始めてすぐに彼女の家に2人きりとは如何なものか
何故か娘の心配をする父親のような気持ちで、ペンギンは考え込んでしまう
「俺たちのセナが…」
「あ?なんだペンギン」
「やっ!なんもないです!」
「あのねぇ、何を心配してるのか知らないけど。強盗犯が捕まってないのが危ないからって、来てくれてるのよ?」
「?強盗犯…?」
ペンギンは首を傾げた。この近所でそんな事件があったなど聞いていない
聞いていたら自分たちだって彼女の家に行っているはずだ
「あれ、知らないの?ナミが教えてくれたんだけど」
「ナミちゃんが?…ああ」
情報元の発覚により、ようやく合点がいく
多分ナミが、こうなるようにガセネタを仕向けたのだろう
なんだかんだ、この不器用な2人のことを周囲は応援しているのだ
「まぁ、会長なら安心だけどな」
「何言ってるの?」
「こっちの話。じゃあ会長はいつまで?」
「月曜の朝にコイツと家を出る」
「えっ、そうなの?!」
てっきり明日には帰ってしまうものだと思っていたセナは驚きに声を上げた
「制服は持ってきてある」
「いつのまに…」
「どうせ帰りも家まで送るんだ。荷物はその時に持って帰る」
「まぁ、いいけど」
両親が帰ってくるのはどうせ月曜の夕方頃だろうし、一緒に居られる時間が長いのは素直に嬉しい
しかしそれを言葉に表すのは中々出来ない、それが色々と誤解を生むのも分かっているのだが
「んじゃ、俺たちが行く必要ありませんね」
「寧ろ来なくていい」
「ちょっ、ロー!」
「分かってますよ、シャチにも言っときます」
「ペンギンまで!」
目の前で親指立てていい笑顔をしたペンギンを、バシバシと叩けばワザと痛がって避けられてしまう
「イテェな!」
「嘘!そんな強くないもん」
「イヤイヤ結構音してたって」
「…おい、ペンギン」