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生徒会室は寵愛の鳥籠(ONE PIECE長編学園パロ)

第12章 ちょっと一息つきましょう(*)


気付けば外は日も暮れかけ薄暗くなっている
すると目の前に手が差し出された

「?なにしてんだ」

いきなりの行動に意図が汲めず、どうしたものかと迷っていれば
ローが不思議そうに首を傾げている

「行くんだろうが、買い物に」
「あっちょっと待って準備するから」
「早くしろ」

手を差し出したままの格好で、急かすように言われてしまえば急がないわけがない
リビングに行き財布とエコバッグと携帯だけ引っ掴むと、玄関に戻りローの手を取って家を出る

ものの数分で着く、大型チェーンのスーパーはセールの時間帯で賑わっていた
また休日ということもあり、家族連れが多くみえる

「すごい人…」
「いつもこんな感じなのか、この店は」
「まぁ品揃えはあるし、比較的安いしね」
「あら、セナちゃん!」

セナも普段利用することが多い店なので、勝手知ったるというところで歩み出そうとしたら
人混みから声を掛けられて、空いている腕を掴まれた

「?!」
「おいっ、」
「びっくりさせたかしら!ごめんなさいね?今日は1人なのねぇ…あらまっ!お隣は彼氏??」
「あ、こ、こんばんは」

突然現れたかと思えば、勝手に1人で話を進めていく中年の女性
近所に住む何かと噂好きのオバさんである
セナの腕を絡めては、潜められていない声で耳元に話し掛けてきた

「おいなんだこのバ「やだ、いい男捕まえたじゃない!セナちゃんも隅に置けないわねぇ」
「あ、ははは…それはどうも」

ローが危うく暴言を吐きかけたが、気にも止めず話し掛けてきたオバさんに安堵の息を吐く
繋いでいる手を軽く引っ張り、視線でを軽く嗜めた

『余計なこと言わないで…!』

一瞬視線を落としたローは、分かったのか無視したのか明後日の方向を向いてしまう
ひとまずは口を挟まない意思として解釈し、早くこの場から解放されようとセナはオバさんに向き直る
ちなみに今まで、オバさんは1人で話続けていたようだ

「〜でね、さっきペンギンちゃんに会ったんだけど」
「えっ、そうなんですか」
「うんうん、あのミニペンちゃんの帽子は間違いなくペンギンちゃんよ!」

ミニペンとは…帽子のてっぺんを飾るペンギンのことを言っているのだろう
ある種の彼のトレードマークである

「多分ここに「あの、おばさん。私たちそろそろ…」…あら残念」
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