生徒会室は寵愛の鳥籠(ONE PIECE長編学園パロ)
第12章 ちょっと一息つきましょう(*)
「セナさん…?」
「うん、その方が仲良くなれたって感じがするでしょ?」
「はいっ」
「…で、用件はなんなんだ」
まさかわざわざラミを紹介しに連れてきただけでもないだろう
「あ、そうそう。これを渡しに来たのよ」
ナミが鞄をガサガサと漁ると、中から可愛らしい紙袋を取り出す
「なにそれ?」
「ルームウェアだよ!みんなでセナちゃんに似合うの選んだの」
「少しでも可愛いモノで元気を出していただければと思いまして!」
「みんな…」
友人たちの優しさに感極まって、受け取った紙袋を抱きかかえる
クシャリと音を立てた紙袋の中身が気になって開けてみようとするとナミに止められた
「目の前で開けられると恥ずかしいから…ほら、使う直前に開けてみて!楽しみは取っておくほうがいいでしょ」
「?うん…そうだね!また開けたら連絡するねっ」
「楽しみにしています!」
「写メ送ってね!」
セナが女子トークでビビとカヤと盛り上がっている中で、不機嫌そうにしているローにナミが近づく
目線の先にある腕をぐいっと引くと、無理やり耳を傾けさせた
「なに「今日明日、セナ家に1人らしいのよね」…なんでお前がそんなことを知っている?」
「私はセナの友達よ?知ってて当然じゃない。で、どうするの」
「なにがだ」
「トラ男がどーしてもセナの家に泊まりたいんなら、協力してあげなくもないわね」
ナミが良からぬことを企んでいるのは丸わかりだが、その話の内容は実に魅力的ではある
「なにが条件だ」
「あら、話が早いわね。さすが生徒会長」
「貴様がなんの理由もなしに取引を持ち掛けるワケねェからな」
「ま、そうね。条件はあとでメールしておくわ」
ナミは最後にそれだけを告げると、ローから離れセナたちの元に向かう
「ねぇ、今不審者情報が入って…この辺りで強盗が出て、まだ捕まってないみたいよ?」
スマホを適当にいじりながら、ナミが大げさに言ってみせると3人の注目が一気に集まる
「えっそれってセナちゃん危ないよね?!」
「月曜まで1人なんですよね?もしも強盗に襲われたら!!」
「だ、大丈夫だよ…!」
強盗に遭うなんて滅多なことではないのだ
たまたま両親が不在の今に、出くわす可能性は極めて低いだろう
「大丈夫って保障がどこにあんのよ?」