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生徒会室は寵愛の鳥籠(ONE PIECE長編学園パロ)

第12章 ちょっと一息つきましょう(*)


「あのコ、勘違いしちゃってるのよ…!妹さんが、トラ男の彼女だって」
「はぁ?!なんでそうなる」

特に予定もない休日、読書をしながらも暇をしていれば妹のラミにねだられて、新しく出来たというカフェに無理やり連れてこられた
ただ、それだけなのだ

「だって…トラファルガー先輩とラミさん全然似てないじゃないですか」
「そんな兄妹ごまんと居るだろう」
「タイミングが悪かったんです…!」

セナの悩みを聞いて、全員で励ました矢先に2人に出くわしてしまったのだから
何より今一番混乱しているのはきっと家に帰り着いているはずのセナである

「お願いします!早く追いかけて!」
「ッだが」

ビビが必死で頭を下げるが、ローは躊躇いがちに隣に立つ妹を見遣った

「何をしてるのお兄様!早く追いかけてあげないと、彼女さんが悲しんでしまうのよ?」

ラミは兄が珍しく暇そうにしていたので、気分転換にと無理やり誘っただけなのだ
昨夜学校から帰ってきて、元気が無さそうだった兄を少しでも元気付けようとして

「ラミちゃんなら、私たちに任せてちょうだい」
「セナちゃんを、お願いします!トラファルガー先輩!」

ビビと同じく、ナミもカヤも迷わず頭を下げた

「…テメェらに任されなくても、行くに決まってんだろ…!」
「ならさっさと行きなさいよ!」
「うるせェ!命令すんじゃねェ!!…悪い、ラミ」
「仲直りしたら、ちゃんと紹介してよね」

短く妹へと謝罪を述べて、ローは急ぎ足で階段を下りる
此処からなら、そう遠くはないセナの家を目指して全力で駆け出した


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「はぁ」

セナは誰もいない静まり返った家の自室で、1人ぼんやりとベッドに横たわっていた
さきほどから口を吐いて出てくるのは溜息ばかり、涙は既に枯れている

「…可愛い子だったなぁ」

ローの腕に、親しげに抱きついていた女の子の姿を思い浮かべた
身長や体型も自分と同じくらいだったのに、なぜかあの子はローの隣にとてもよく似合っていた気がする

「私が、あの子の代わりだったんだよ…ね」

きっとあの子の面影を重ねて、学校での寂しさを紛らわしていたのかもしれない

「ふふっ、バカみたい」

自分で言っておいて、悲しくなってしまった
再び溢れ出しそうな涙を、お気に入りの白クマのぬいぐるみで隠そうとする
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