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生徒会室は寵愛の鳥籠(ONE PIECE長編学園パロ)

第12章 ちょっと一息つきましょう(*)


バタンッ

「?」

下の階から物音がした
隣に住むペンギンかシャチが遊びにきたのだろうか

ドタドタドタ…!

足音が階段をものすごい勢いで駆け上がってくるのが聞こえる
…もしかして、泥棒だったらどうしよう

両親は昨晩から夫婦水入らずの旅行中である
なので今、この家にはセナ1人だけなのだ

ガチャッ

ノックもなく開かれた扉に、やはりやって来たのは幼馴染ではないことを悟る
なんの抵抗にもならないが、布団を頭から被ってギュッと目を瞑った

しかしそれから、声はもちろん何の物音も聞こえない…静かな空間に、ただ聞こえてくるのは少し荒い呼吸
不思議に思って、恐る恐る目を開けると布団の隙間から扉の方を見てみる

「……ッ、」

視界に捉えた人物に、思わず言葉を詰まらせた
そこに立っていたのは凶悪な顔つきの泥棒でもなんでもなくて
…いや多少顔つきは凶悪であるけど、その実優しいことは何より知っている

「なんで来たの…ロー…」
「逃げんじゃねェと、何度言わせれば気が済む」
「別に、逃げてない、」
「さっき逃げただろうが!」

思わず声を荒げたローに、肩をビクつかせて再び布団に身を隠そうとするが、腕を掴まれて阻止されてしまう

「離してよ…っ」
「断る」
「さっきの女の子、待ってるんでしょ?こんなとこ来てないで、早く戻ってあげなきゃ」
「…それがお前の本音なのか」
「当たり前じゃない。…都合のいい女には、もう用はないでしょう」
「ふざけんな!誰がいつ都合のいい女だと言った?!」

そういうことを言うの、ずるいんじゃない?諦めきれなくなりそうだから、やめて欲しい
泣きそうになってしまい、腕を無理やり振りほどいて、布団に包まると背を向けた

「帰って…お願い」
「…話を聞け、じゃないと帰らねェ」
「なんで…」

布団の中から聞こえるセナの声は、明らかに震えている。涙を必死に堪えているのだろう

ギシ

「ッ」

ローが膝をかけると、2人分の体重に悲鳴を上げるベッド
その音に気を取られている間に、布団の上から抱きしめられた

「さっきの女は…妹だ」
「…うそ!」
「そんなことで嘘をついてどうする」
「だって、だっ…て」

浮気なら、嘘をつくんじゃないの?
もそりと布団から顔を出したらそのままガバッと布団を剥ぎ落とされてしまう

「やっ!返して!」
「俺を見ろ」
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