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生徒会室は寵愛の鳥籠(ONE PIECE長編学園パロ)

第3章 狙った獲物は逃がさない


「クックッ…泣いてたかと思えば、忙しいヤツだな」
「ッスミマセン!」

謝られる必要はないことを伝えれば『お見苦しいモノをお見せした』とかなんとかゴニョゴニョ言ってるようだ
むしろもっと見せやがれ…俺だけに
言いそうになって、流石に引かれる可能性が高いから飲み込んだけどな

しかしいつまでもここでこうしている訳にもいかない。この女は新入生だし、俺は…入学式で務めがある
話を進めようと声をかければ、完璧に入学式のことを忘れていたようでみるみる心配になるくらい真っ青になりやがった
確かに今から行くのは明らかに注目の的だ、恰好のイジメの標的になり兼ねないだろう
同じことを考えているのか、想像して再び泣きそうになってやがる…ああ、そうか

名案を思い付き、有無を言わさず腕を掴んで会場までの近道を急ぐ
俺の権限を持ってすればこの女をイジメの標的にさせないし、俺の側にも置いておける算段だ





生徒会長として、挨拶を述べた後に新しい役員の発表を行う
1年で役員になったシャチとペンギンが登壇した際、隣で不安げにしていた女が少し安堵の表情を浮かべた
どうやら、3人は幼馴染のようで親しげに話しているのが少し気に食わなかったが今は取り敢えず
最後に俺しか知らない役員を全校生徒及び教師に周知しようとして…気付く
俺はこの女が1年だということしか知らない、本人に問い掛けるとしどろもどろで中々答えが返ってこない
すると書記であるシャチが何やら女に耳打ちをしている、その距離がいやに近いことが俺を非常にムシャクシャさせた
シャチに向かって笑顔で礼をいう女が此方を振り向いてクラスと名前を名乗る
俺には泣きそうな顔しか見せなかっただろうが…

今はひとまず聞いたそのままの情報を校内に周知させ、生徒会活動の概要を述べていれば
並んでいたシャチと女…セナがまた何やらコソコソと会話をやり取りしている
するとシャチが急に笑いだし、セナの背中をバシバシと容赦なく叩いていて、それを見ていた生徒の渦からはヒューヒューと囃し立てる口笛などが聞こえる
まるでそれを、大衆に見せ付けているようだと感じればムカムカとせり上がってくるのは怒りにも似た嫉妬心

それを隠す事なく目の前の机にぶつければ会場全体、セナもシャチも静まり返り此方に視線を向けた
俺はツカツカとセナまで歩み寄る
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