生徒会室は寵愛の鳥籠(ONE PIECE長編学園パロ)
第12章 ちょっと一息つきましょう(*)
「幼馴染って、ペンギンくんとシャチくんだよね?」
「そうそう、生まれた時から一緒なの」
「ええっ、そうなんですか?とても長いお付き合いなんですね」
近所の産婦人科で数日違いに生まれた3人は、まさかの家も隣同士で兄妹のように育ってきた
中学では一度離れてしまうが、高校ではまたこうして3人で居られることが素直に嬉しい
「嬉しそうな顔しちゃって。トラ男が見たら泣くわよ」
「そ、うかな…?」
「トラファルガー先輩が泣くのって、想像できない…」
「確かに…怒っている姿は想像できますけど」
「で、何かあったの」
当然のようにナミの口から出た名前に、一瞬表情を曇らせるセナを3人は見逃さず
カヤとビビの会話的にそれ以上、触れられないと思っていたところでナミが追及してくる
「何も…ない」
「セナさん、嘘はダメですよ」
「本当に、ただ私が」
「セナちゃんが?」
「…私が勝手に不安になるだけ」
別に悪いことではないのだが、なんとなくメニューで顔を隠すように俯いてしまう
「何が不安なのよ」
「分かんない…でも、ローも不安なんだと思う。私のこと、信用してない…っていう、か」
「…それはセナさんが、そうなんじゃないですか?」
聞いてきたナミの問いに、素直に答えるとビビの声がして顔を上げた
真剣な表情で、こちらを見ている視線とぶつかる
「私が?」
「…自分が相手を信用できていないのに、相手に信用をしてもらおうなんて都合が良すぎると思いませんか?」
「ちょっと、ビビちゃん…」
「分かってるけど、けど…自信ないよ」
この数日で、何度も何度も自問自答を繰り返した
ローの隣に居たいと思うのに、それを許せない自分がいる
何も考えずに、彼の胸に飛び込めたら…でももし、
飛び込んで受け止められなかったら?
「いきなり自信を持てなんて言いません。でも、トラファルガーさんを信じてあげることができるのは、セナさんだけです」
「ビビちゃん…」
「不安になったらいつでも相談してください、みんなセナさんの味方なんですから」
「そうよ、1人でグズグズ悩んだりしないの。大体ね、アイツの態度を見てどこに不安を感じるのよ」
ナミ曰く、セナを前にしたローはサンジの状態にしか見えないという
「「ぷっ」」
想像した3人が一斉に噴き出す