生徒会室は寵愛の鳥籠(ONE PIECE長編学園パロ)
第12章 ちょっと一息つきましょう(*)
ローは思わずため息を吐く
セナにとって初めての休みならば、2人が付き合い始めてからも初めての休日である
登下校、昼休憩、生徒会…毎日顔を合わせている
これからもその日常は変わらないのだが、会えるものなら休みであろうが常に会いたいのがローの本音なのだ
しかし人一倍高いプライドと、過去にそんな風に思うことが無かったため、上手く言葉にできない
更にセナは休日に会うことを望んでいないようで
余計に言い出せなくなってしまう
「ローは、休みの日どうしてるの?」
「…俺は、家で父親の研究の手伝いをしたり。あとは読書だな」
「ふふ、なんかローらしいね」
求めていた答えだったようで、少し満足げに笑う姿に思わず距離を詰めた
棚に手をついて、追い込むように顔を近付ける
「?どうした、のッ」
いきなりの行動に戸惑う唇に迷わず唇を重ねた
小さめなのに少しふっくらとしていてる柔らかい唇は、病み付きになるくらい甘美だ
いつでも何処でも、何度だってこの唇を貪りたい衝動に駆られる
「は、ぅンッ」
上顎を舌で撫ぜられると、背筋を駆け上がるように痺れが全身に広がり、強く舌を吸われれば頭がチカチカしてきた
そうなる理由がただの酸欠だけでなく、与えられる快楽によるものだと知ったのはつい数日前のこと
始めは仕掛けられる度に戸惑うばかりだったセナも、今では必死に応えるようローを求めてくる
そんなセナの変化に堪らなくなったローは、更に求めるように角度を変えて唇に吸い付いた
「ッ…ハ」
「む、ぅ…ンンッ…ふ、」
静まり返る資料室に、舌が擦れ合い濡れた水音と、2人分の熱のこもった吐息が混ざり合う
「も、…ッだめ!」
一向に離れる気配のないローに、本当に酸欠になってしまいそうでセナは無理やり唇を引き離した
本当は少しだけ、火がついてしまいそうだったのもあるのだが
「…チッ」
「舌打ちしない!」
「まだ足りねェ」
「ダメだってば!!」
不機嫌そうに歪められた顔が再び近づいてきて、キスをされそうになると流石に少し距離を取ってしまう
「逃げんじゃねェ」
逃げようなんて思ってない
そもそも逃げるようなことをしたのはローだし、なのにいつも咎められるのは自分だ
言いしれない感情が込み上げてきて、グッと唇を嚙む
「もういい。…今日は1人で帰るから」