生徒会室は寵愛の鳥籠(ONE PIECE長編学園パロ)
第12章 ちょっと一息つきましょう(*)
教室への帰り道、誰かの携帯が震えた音がして
ナミは颯爽と手持ちのスマホを確認するが、何も変わりはなかった
隣を歩くセナではないかと、確認を促せば案の定新着メールが一件
「こんな時間に珍し…ええっ?!」
「どうしたの」
「両親が…今日から二泊三日で旅行に行くって!2人だけで!!」
「別にいいじゃない、夫婦水入らずなんて珍しいんでしょ」
両親が共働きで、朝は早く夜は遅くまで2人とも働いていると聞いていたナミは、何をそんなに驚くのか首を傾げた
「私も明日から休みなのに!普通置いてく?!」
「でも月曜には学校じゃない」
「それでも、三日間も年頃の娘を置いて家を空けるなんて…」
「別に、アンタだからイイって思ったんでしょ」
家事は一通りこなせるセナなら、家を空けても悲惨なことにはならないだろうし
まして両隣の家には、幼馴染が住んでいるらしいのでなんの心配もないだろう
「まぁなんならビビたち誘って、泊まりに行ってもいいけど」
「!ホント?!」
「あ、ちょっと待って」
提案したナミが、ふと視線を上に向けて何かを考えだした
そしてニッコリと笑うと、再び口を開く
「やっぱりみんな用事があったわ。でもそれも夜からだから、朝からショッピングに行かない?」
「あ、そっか…でも、それも楽しそう!行きたい!」
みんなが泊まれないのは残念だが、元より出掛けたいと思っていたセナは強く頷いた
「じゃあ、この間の話の店行くわよ」
「ん?なんか話したっけ」
「アンタに合った下着、見てあげるってハナシ」
「ああ!でも別にそれは明日じゃなくても」
「明日が都合がいいのよ。それに女の子同士で可愛いモノ見るのって楽しいじゃない?」
「…それは確かに!」
「じゃ決まり」
すっかり女子同士のショッピングに心を浮つかせたセナの背後で、ナミが悪い笑みを浮かべたのには気付かない
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「セナ」
放課後の生徒会室、資料の整理をしていると不意に名を呼ばれる
恋人であり、生徒会長であるローだった
「なぁに?」
「…明日から休みだろ」
「うん!ここに入って初めてだよ」
「だから、だな」
「そういえば明日ナミたちとショッピングに行くの!どんな服着て行こうかな〜」
資料を棚に納めながら、鼻歌なんか歌い出して上機嫌なのが見てとれる
「…ハァ」