生徒会室は寵愛の鳥籠(ONE PIECE長編学園パロ)
第12章 ちょっと一息つきましょう(*)
「???」
教師が受け持つ生徒の名前を知っているのは当然なので驚きはしないが、今のシーザーの反応はそんなものではない
ガシッと両腕を掴まれて、食い入るように顔を覗き込まれても、なんと返せば良いのか
「お前生徒会だな?!」
「そうですけど」
それがどうしたというのか。今の授業にもなにも関係ないはず
「入学式のとき、ローに引っ張られていただろう!あの女で間違いないな?!」
「まぁ、間違いではないです」
「ということはだ、お前はローの弱mンギャァアアア!!!」
シーザーの腕が離れたかと思えば此方を指差し、上機嫌に何かをいいかけてすぐに、叫び声をあげて倒れた
その後ろには、ナミがゲンコツを構えてフンッと鼻を鳴らして立っている
「シーザー先生?授業進めて下さるかしら」
「きっ、貴様ァ…!俺は教師だぞ?!教師を殴るとは、いだっ!イダイッやめてくれェ〜!!!」
倒れたままの体勢で文句を言っていたシーザーの顔に上履きがめり込む
満面の笑みを貼り付けたナミが、ぐぐっと足先に力を込めていくのでシーザーは慌てて許しを乞う
「ナミ!もうっ、ダメだって!!」
力を緩めることのない友人を必死に落ち着けようとするが、ナミはお構い無しに足を乗せたままだ
その下でシクシクとシーザーが泣いている
「アンタがトラ男に何しようが知らないけど、それでセナに手を出してみなさい?どこから何が起こるか分からないわよ」
「それだけは勘弁してくれェ!何もしねェよォ!!」
「ね、先生もこう言ってるし…私も何もされてないからさ」
そもそも何かをする気だったのかも分からない
今床には、大の男が這いつくばって泣き喚いてるのだ…さすがにセナでも勝てる気がする
「コイツだけは信用ならないけど…授業中だし、仕方ないわね」
そっと足を退けると、シーザーは疾風の如く定位置に戻った
「ええ〜〜〜コホンッ。それでは授業の続きを…」
何事もなかったかのように、一つ咳払いをして授業を再開しようとするシーザーの姿に
一部始終を見ていた他の生徒たちは大爆笑である
「なっ!笑うなお前ら!!」
何を言っても、今となっては説得力がない…笑いの渦に巻き込まれた科学室は、そのまま授業終了を迎えてしまうのだった
ヴーッヴー
「セナのじゃない?」
「えっ、あ。ホントだ…お母さんからメール?」