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生徒会室は寵愛の鳥籠(ONE PIECE長編学園パロ)

第12章 ちょっと一息つきましょう(*)


昨日あった出来事を話すとなれば、セナの友人であるナミは烈火のごとく怒りかねない
キッドでさえも、気圧されてしまうだろう

「アンタ、セナに何かしたわけ?」
「して、ねェよ…」

キッドはタラタラと冷や汗を流しながら、さりげなく視線を逸らす
それでは白状したようなものだ…見ているセナまで、ソワソワしてしまう

「あ、そう!私たち親友になったの!」
「はっ?!親友??!」

親友という大事な存在だから、それ以上は詮索しないであげてほしい
そんな意味も込めて無言で訴える
しかしナミはそれどころではなかった
セナとキッドが親友だなんて、衝撃すぎる事実に言葉を失った

「ちょっとセナ正気?!」
「ナミっ、落ち着い、てっ!」

両肩を掴まれて物凄い勢いでガクガクと前後に揺さぶられる、思わず舌を噛んでしまいそうだ

「なにしてんだ、止めろ!」
「うっさいわね!アンタには聞いてないのよ!」
「なんだとォ?!」
「2人とも、落ち着いてっ!」

なんとかナミから解放され、睨み合う2人の間に立って場を収めようとする

「ちょっと昨日ね、キッドが私のブラウスにジュースこぼしちゃって!シミになって取れなかったから、新しいのくれただけ」
「そ、そうだッ!悪ィことしたとは、思ってる…からな」
「…ふーん。まぁいいわ、セナがそう言うなら、信じましょ」
「ありがとう!ナミ!」

なんとか上手く収まったところで、授業開始のチャイムが鳴ったのでキッドは慌てて教室に戻っていった
振り返ると2人以外教室にいない…よく思い返せばこのクラスは移動教室だったのだ

「急ぐわよ!」
「うんっ」

チャイムが鳴り止むギリギリで、科学室に滑り込む
空いている席に座ったところに、担当教師が入ってくる

「シュロロロロ…ちゃんと全員揃っているようだな」

ハットを被って白衣を羽織った、顔色の悪い教師が変な笑い声を上げながら座席を見回す

「俺の名はシーザー・クラウン。見ての通りお前たちの科学を担当してやる。光栄に思えよ、シュロロロロ!」

やけに上からな物言いではあるが、授業は至って分かりやすく真面目に進行する
生徒の座る間を通り抜けながら、ふとシーザーは足を止めた

「…貴様、顔をよく見せろ!」
「はい?」
「やっぱり、白石 セナだな?!」
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