• テキストサイズ

【MHA】DELETE

第6章 爆豪くんのいない四日間


 一斉に通方先輩へと走り出すと、突如通方先輩の服が脱げ、思わず駆け出した足が止まった。隣にいた耳郎さんは叫びながら顔を隠した。他にも数名の女の子は突然の出来事に驚いていたようだった。けど、私の場合、異性の裸が恥ずかしいとかそういうのじゃない。ただ、目の前にいる通方先輩が突如怖い物に見えて足がすくんだ。体が硬直して動けなくなる感じ。そして、それに続くように体中に何かがまとわりつくような不快感。いそいそと脱げたズボンを履き直す通方先輩。それを見て漸くすくんだ足が動き出したが、完全に皆に遅れを取った。
 緑谷くんの蹴りを避け、遠距離から仕掛けられた攻撃も避けた通方先輩はいつの間にか耳郎さんの背後にいた。生まれたままの姿で背後に立つ通方先輩に耳郎さんは悲鳴を上げた。────動かない。足が固まって動かない。声を出す事も出来ず、何の抵抗も許されぬまま耳郎さん、上鳴くんと共に縛られた。


『可哀想に。怖かっただろうね。でももう大丈夫だよ。これからはオジサンと楽しく遊ぼうね。』


 頭の中で誰かがそう言って笑っていた。
 そして、気が付けばクラス全員通方先輩一人に倒されていた。その後、通方先輩の個性について通方先輩が話していたが、全く頭に入って来なかった。


「玲奈ちゃん顔色悪くない?大丈夫?」
「…うん、大丈夫…。」


 心配そうに声を掛けてくれるお茶子ちゃん。私、ちゃんと笑えてるかな?
 脳裏にチラつく黒い影。言葉だけ聞けば優しい筈のその言葉はじわじわと私の体を蝕んでいった。


/ 110ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp