第6章 爆豪くんのいない四日間
「あの…マジすか。」
「マジだよね!」
通方先輩は準備運動を始め、やる気満々だ。いくら先輩と言えど、この人数を一人で相手をするのはあまりにもハンデが大きい。
「ミリオ…やめた方がいい。形式的に〝こういう具合でとても有意義です〟と語るだけで充分だ。皆が皆上昇志向に満ちているわけじゃない。立ち直れなくなる子が出てはいけない。」
天喰先輩は壁に向かってそう呟いた。それに対し、波動先輩は芦戸さんの角を触りながら過去に挫折し、ヒーローを諦めた人が問題を起こした事があると語った。
「待ってください…。我々はハンデありとはいえプロとも戦っている。」
「そして敵(ヴィラン)との戦いも経験してます!そんな心配される程俺らザコに見えますか…?」
常闇くん、切島くんの言葉に一切動じる事の無い通方先輩。…本当に一人で私達全員の相手にする気なんだ。
「一番手は誰だ!?」
切島くんがそれに名乗りを上げたが、緑谷くんがすかさず名乗り出た。
「接近隊は一斉に囲んだろぜ!!よっしゃ先輩。そいじゃあご指導ぉー」
「よろしくお願いしまーっす!!」