第6章 爆豪くんのいない四日間
その翌日、一足先に謹慎が終わった緑谷くんが学校へと戻って来た。いつもより気合十分といった雰囲気で、鼻息荒く、皆に頭を下げていた。
「じゃあ緑谷も戻ったところで本格的にインターンの話をしていこう。」
相澤先生に入室を促され、教室に入って来たのは通称ビッグ3と呼ばれる、現雄英生のトップに君臨する三年生達だった。
「じゃあ手短に自己紹介よろしいか?天喰から。」
黒髪の三年生の眼孔が鋭く光り、教室は緊張感に包まれた。
「ジャガイモだと思って臨んでも…頭部以外が人間のままで依然人間にしか見えない。どうしたらいい。言葉が…出てこない。頭が真っ白だ。…辛いっ…!帰りたい…!」
私達に背を向け黒板に頭を項垂れた先輩。てっきり怖い先輩だと思っていただけに想定外の言葉に驚いた。代わりに隣にいた女の先輩が自己紹介を始めた。
「彼がノミの〝天喰環〟。それで私が〝波動ねじれ〟。今日は〝郊外活動(インターン)〟について皆にお話してほしいと頼まれて来ました。」
波動先輩は次から次に疑問を口にした。その答えを聞く前に次から次へと質問を重ねた。…なんか、三年生濃い。
「合理性に欠くね?」
「イレイザーヘッド安心して下さい!!大トリは俺なんだよね!」
そう言った先輩は、耳に手を当て、〝ゼント〟と叫んだ。
「多難ー!っつってね!よォしツカミは大失敗だ。」
終始笑顔を絶やさないその先輩は自分達の経験をその身で経験した方が合理的と言い、対人訓練をする為、体育館γへと移動となった。