第6章 爆豪くんのいない四日間
いつもなら爆豪くんに勉強を見てもらう時間、一人自室で机に向かい勉強をするのは不思議な気分だった。言葉は雑だけど、爆豪くんの教え方は凄く分かり易くて、的確に私が理解してない所を見極め、それを重点的に教えてくれていた。いつもなら分からない所があれば私が聞くよりも先に爆豪くんがそれに気付いて教えてくれていた為、学校で出る毎日の課題も難なくとまではいかないけど、順調にこなせていた。爆豪くんがいないってだけで、こんなにも勉強が捗らないなんて思いもしなかった。如何に自分が爆豪くんに頼りきりだったか改めて思い知らされた。
分からない問題を幾ら眺めたってそれが解けるワケも無く、私は課題を抱え、部屋を出ると五階へと向かった。
「八百万さん、いる?」
以前、上鳴くんが八百万さんは勉強を教えるのが上手いと言っていたのを思い出し、八百万さんの部屋を尋ねた。ノックをすると、可愛い部屋着に身を包んだ八百万さんが顔を出した。お茶子ちゃんとの件があってからクラスの女の子とは微妙な距離を感じていたが、事情を説明すると快く部屋に招き入れてくれた。