第6章 爆豪くんのいない四日間
始業式は校長先生の話から始まった。校長先生の毛質について始まった話は本題へと移った。聞き慣れない単語に周りはヒソヒソと話声をたてた。
「経営科も普通科もサポート科もヒーロー科も、皆社会の後継者であることを忘れないでくれたまえ。」
校長先生の話が終わると、生活指導のハウンドドッグ先生の話が始まったが、人語では無いそれに虚を突かれた。ハウンドドッグ先生の話を理解出来なかったのは、周りも同じだったようで、ブラドキング先生が通訳に入った。ハウンドドッグ先生が言ったのは爆豪くんと緑谷くんの喧嘩についてだったらしく、節度をもって生活するようにとの事だった。
「緑谷さんと爆豪さん、立派な問題児扱いですわね…。」
八百万さんの言葉に思わず私は額に手を当て溜息を漏らした。二人が仲が悪いという事は日頃の爆豪くんの態度から察しが付いていたけど、幼馴染ってこうも仲が悪くなるものなのだろうか。一体昔の私はどんな風にあの二人と接していたのだろうか。緑谷くんと共に爆豪くんに酷い態度を取られていたのか。それとも爆豪くんと一緒に緑谷くんを罵っていたのか。…どっちも嫌だ。二人の仲を取り持つ為に右往左往していたと信じたい。