第6章 爆豪くんのいない四日間
「…いや、戻らない。」
「は?」
どうして自分でもそんな行動を取ったのか分からない。けど、自然と私は爆豪くんに手を伸ばし、爆豪くんを抱き締めた。今、爆豪くんを一人にさせたくない。爆豪くんの傍にいたい。
「かっちゃん。」
自然と口から漏れたその愛称は、記憶を無くす前の私が呼んでいた呼び方。どうして今、爆豪くんをそう呼んだのか分からない。
「…お願い、傍にいさせて。」
何も言わず、爆豪くんはそれを受け入れてくれた。
記憶を無くし、雄英に来てから、言葉遣いも行動も乱暴で、強引な爆豪くんに振り回されてばかりだけど、どうしようもない不安に駆られた時、爆豪くんはいつも傍にいてくれた。だから私も爆豪くんが辛い時や悲しい時、爆豪くんの傍にいたいと思うのは、おかしいのだろうか。