第5章 ヒーロー仮免許取得試験
一次試験、滑り込みでA組全員が通過した。それを皆で手を取り合い喜んだ。
『えー百人の皆さん。これご覧下さい。』
モニターに映し出されたフィールドを見詰めていると、建物が爆発音をたて崩壊した。
『次の試験でラストになります!この被災現場でバイスタンダーとして救助演習を行ってもらいます。ここでは一般市民としてではなく仮免許を取得した者として────…どれだけ適切な救助を行えるか試させていただきます。』
モニターに映る崩壊したフィールドの中に人影が見えた。老人や子供もいる…!なんでもそこにいるのは要求所者のプロ〝HELP・US・COMPANY〟通称〝HUC〟の人達。傷病者に扮した〝HUC〟の救助を行う試験との事だ。
次の試験の説明が終わると、長い体毛に覆われた士傑生が爆豪くんに声を掛けた。
「肉倉…糸目の男が君のとこに来なかった?」
糸目の男と言われ、すぐにあの人の事だと分かった。贋物を粛清するのが自身の役目だと思い上がっていた彼の事だと。
「ああ…ノした。」
それを聞くと雄英とは良い関係を築き上げたいと謝罪を口にした。