第5章 ヒーロー仮免許取得試験
『さて立て続けに四名通過。現在八十二名となり残席は後十八名ー!』
士傑生の個性により捕縛されていた他校性のターゲットを奪い、無事四人共通過する事が出来た。
「あら?オイねぇアレ瀬呂たちじゃん!?」
向こう側に緑谷くん、瀬呂くん、そしてお茶子ちゃんの姿を見つけ、手を振る上鳴くん。上鳴くんは通過した事を両手を上げ喜んだ。
「緑谷くん、良かった。」
「玲奈ちゃんも無事だったみたいで良かったよ。」
「…通ったんか。デクてめクソ…。」
「かっちゃん…!あ…うん…。」
「そんな〝力〟がありゃ当然だ。」
その言葉に酷く驚いていた緑谷くん。その緑谷くんの横を通り過ぎた時、爆豪くんが何か緑谷くんに言ったようだった。驚きの表情は一気に引いた。
「緑谷くん、ごめんね。もう、爆豪くん、いつも思ってたけど、緑谷くんにだけ当たりがキツいの良くないよ!」
スタスタと先を歩いていた爆豪くんは足を止めた。…しまった、また怒られる。そう思ったのに、爆豪くんは怒鳴る事はなく、ただ黙って私の手を引いて歩き出した。