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【MHA】DELETE

第5章 ヒーロー仮免許取得試験


 コスチュームに着替え、説明会場に入ると、人、人、人。多いと聞いてはいたが、想像を遥かに越える人数に驚いた。ここに居る全員がヒーローを目指してるんだ…。


「えー…ではアレ。仮免のヤツをやります。」


 気だるそうに自己紹介を始めた公安委員会の目良さん。仕事が忙しい、眠たい、人手が足りないと愚痴を漏らしながらヒーロー仮免許取得試験について説明が始まった。


「現代はヒーロー飽和社会と言われ、ステイン逮捕以降ヒーローの在り方に疑問を呈する向きも少なくありません。」


 目良さんの説明の中に、妙に耳に残るフレーズがあった。


「…ステ、イン。」


 そのフレーズを口にすると、頭に激痛が走った。


「…っ!」


 私の異変にいち早く気付いた爆豪くんが声を掛けてくれたけど、激しい痛みで、爆豪くんが何て言ってるか分からない。こんなにも頭が痛いのに、その痛みに共鳴するように心が満たされるような不思議な感覚。


「オイ!玲奈!」
「…大丈夫。」


 いつの間にか激しい頭痛は何事も無かったかのように治まった。爆豪くんは大丈夫と言った私を疑うかのような視線を向けたがさっきの頭痛が無かったかのように、痛みは完全に消えていた。
 ヒーロー仮免許取得試験の通過者は先着百名。その通過条件は脇や足の裏等を除く体の好きな場所にターゲットを三つ取り付け、ボールを六つ所持。ボールを当てられると当てられたターゲットが発光し、全て発光した時点で脱落。三つ目のターゲットにボールを当てた人が〝倒した〟事になる。そして、二人倒す事が通過条件を満たす事になる。私の個性じゃその条件を満たすにはかなり厳しい。が、やらなきゃいけない。


「えー…じゃ展開後ターゲットとボール配るんで全員に行き渡ってから一分後にスタートします。」


 その言葉を合図に、天井が開いた。


「自分を活かして頑張って下さい。」


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