第5章 ヒーロー仮免許取得試験
「イレイザー!?イレイザーじゃないか!!」
相澤先生に笑顔で手を振る女性。その女性を視界に捉えると、一瞬にして相澤先生の表情が曇った。
「結婚しようぜ。」
「しない。」
突然のプロポーズに、相澤先生は即答。それを笑い乍受け止めた女性も相澤先生と同じくプロヒーローならしい。
「おいで皆!雄英だよ!」
Msジョークに呼ばれ、他校性がやって来た。
「傑物学園高校二年二組!私の受け持ちよろしくな。」
Msジョークがそう言うと、真堂と名乗った爽やかな男の子が順番に皆と握手を交わしていった。
「不屈の心こそこれからのヒーローが持つべき素質だと思う!!」
そう言って強く拳を握る真堂さんには好感を持てた。ヒーローを志す人が皆こうだったらいいのに。
「中でも神野事件を中心で経験した爆豪くん。君は特別に強い心を持っている。今日は君たちの胸を借りるつもりで頑張らせてもらうよ。」
そう言って爆豪くんに手を伸ばした真堂さんの笑顔に、嫌な感じがした。
爆豪くんは台詞と面が合ってないと指摘し、真堂さんの手を払い除け、それを切島くんが否めると、心が強い証拠だと真堂さんは笑った。
「よろしくね。」
真堂さんは笑顔で私にも手を差し出してくれたが、その向けられた笑顔にやっぱり違和感を感じ、差し出された手を握り返すのを戸惑っていると、爆豪くんが再び真堂さんの手を払い除けた。
「コイツに触んな。」
「あ…ごめんなさい。」
爆豪くんの取った行動に対し、反射的に謝罪の言葉を口にすると、大丈夫、気にしてないよと真堂さんは笑った。私が謝ったのが気に食わなかったのか、物凄く爆豪くんに睨まれた。