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【MHA】DELETE

第4章 欠落した記憶


「中学に上がる時に玲奈ちゃんは引っ越して、それから昔みたいに中々会えなくなったんだけど、親同士仲が良かった事もあって、たまに一緒に出掛けたりとかもしてたよ。かっちゃんとは多分、引っ越してからは会ってなかったと思うけど。あ、別に玲奈ちゃんとかっちゃんの仲が悪くなったって事じゃないよ!かっちゃんって、ほら、気難しい性格だから。」


 そう言って緑谷くんは苦笑した。まあ、あの爆豪くんが昔は温厚で優しかったんだよ、なんて言われたらどうしようかと思った。そんな爆豪くん想像出来ないし、想像したくない。けど、昔から気難しい性格であった爆豪くんの相棒(サイドキック)になれないと泣いた事、また、その夢を諦められず、努力をしていた所を見ると、多分私自身が思ってる以上に爆豪くんとの関係は良好だったのかも知れない。


「私ね、敵連合のアジトで発見されたんだって。」
「え…!?」
「でもね、どうしてそこに居たのか分からないの。記憶の最後は病室で目を覚めた所。両親が殺されて、どうやってその間生きてきたのかも分からない。それに、敵連合のアジトから発見されたなんて…私も敵(ヴィラン)だったのかな…?」


 ずっと疑問に思っていた事。両親殺害後、行方不明になった私。それを警察が探さなかった訳が無い。なのに、一年半もの間、私は発見されなかった。そんな私が発見されたのが敵連合のアジト。私が行方不明扱いされていた間、敵(ヴィラン)として敵連合にいたというのなら全ての辻褄が合う。


「それは絶対違うよ!玲奈ちゃんは昔から正義感が強くて、誰よりもヒーローに憧れていたんだ!玲奈ちゃんは敵(ヴィラン)じゃない!」


 そう言われても、今の私はヒーローに対する憧れも無い。あるのは、ヒーローはこうあるべきだという勝手なヒーロー像への執着。それが何を意味し、どうしてそう思うのか分からない。


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