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【MHA】DELETE

第2章 正しき社会のために


 あの日、敵(ヴィラン)に攫われ、闇オークションの商品として捉えられた私は、一人のヒーローに犯された。そして、そのヒーローを殺し、私を救ってくれたヒーロー殺しのステインと今は共に生活をしている。あの時、ステインの記憶を個性によって操作し、〝橘玲奈は仲間である〟とインプットさせた。そして、その記憶をより強く、確かなものにする為、ステインの仮住まい、寝ているステインの脳内を個性で探り、更に記憶を書き換えた。〝橘玲奈はステインの妹であり、唯一信頼出来る人間であり、守るべき対象〟と。そして自分とステインの関係を疑わしく思わせる記憶を消去した。それから約一年が経ち、完全に私はステインの中に潜り込んだ。共に生活を過ごす中、私は恩人であるステインの思想、理念を理解し、彼の世直しに賛同した。質素ではあるが私は今の生活に満足していた。両親は死んでしまったが、いつも傍にステインがいてくれた。それだけで充分だったのに、その平穏が崩れる日がやってきた。

 久しぶりに私が生まれ育った故郷の近くに帰ってきた。そしてステインは保須市でヒーローを一人再起不能に陥れた。伝聞の為に殺さなかった偽りのヒーロー、インゲニウム。インゲニウムが生きているという事で、この街にヒーロー殺しが現れたと伝わった。ニュースはヒーロー殺しの報道ばかり。この街でステインはあと三人のヒーローを殺す予定でいる。それが終わればまた違う街へと向かう。
 ────かっちゃんといっちゃん、元気かな?ステインがいればそれでいい。そうは思っていたけど、やはり幼馴染みである二人の事はいつも心の中にあった。二人がまだヒーローを目指していたら嫌だな。ヒーローなんてならないで欲しい。そう願っていた。


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