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【MHA】DELETE

第4章 欠落した記憶


 私の部屋の扉を乱暴に開けると、そのままズンズンと私の手を引いて部屋に入って行った爆豪くん。そしてまた強い力で引っ張られ、そのままベッドに投げ捨てられた。体を起こそうとしたが、爆豪くんにそれを遮られ、押し倒されるような体制となった。その光景が、何かと重なったような気がした。だが、それが何なのか分からない。我を忘れ、私は思いっ切り声を上げた。どうしようもない恐怖心に支配される。怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い。


「玲奈!」


 名前を呼ばれ、押し倒された体を引っ張られ爆豪くんに抱き締められた。喉の奥がひゅーひゅーと音を立てる。子供をあやす様に一定のリズムで背中を叩く爆豪くん。それに先程までの恐怖心は消えてなくなり、猛烈な眠気に襲われた。
 薄れゆく意識の中、暗闇で下賎な笑みを浮かべたそれは一体何だったのか。そして私は誰に助けを求めたのか。それが夢なのか、記憶の欠片なのか分からない。

 目が覚めると、私はベッドで眠っていて、爆豪くんの姿は無く、カーテンの隙間から、陽の光が射し込んでいた。

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