第3章 予期せぬ再会(爆豪視点)
「いいか、俺は助けられたわけじゃねえ!一番良い脱出経路がてめェらだっただけだ!」
「ナイス判断!」
まさかオールマイトをはじめとするプロヒーロー達に隠れて、コイツらが来てるのは予想外だった。オールマイト達の反応から察するに…つーか、そんな反応は見ずとも、どうやってここまで辿り着いたか知らねえが、コイツらは勝手にやって来た。
奴らの手から逃れる事も出来たし、すぐにさっきのバーに戻らねえと。そう思ったのに、テレビ画面に映るオールマイトの姿に驚き、俺は足を止めた。骸骨みたいにヒョロヒョロした体。いつも笑顔で人々を救うオールマイト。その顔からは笑顔は消えていた。…クソが…っ!俺はアンタのそんな姿に憧れたんじゃない!
「勝てや!オールマイト!」
俺の憧れのヒーローなんだ。そんな事でぶっ倒れんじゃねえ!
『UNITED STATESOF SMAASH!』
激しい死闘の末、決着がついた。テレビ画面の向こうでボロボロの体で拳を上げるオールマイト。
『次は君だ。』
その言葉は犯罪者への警鐘、平和の象徴の折れない姿だったのかもしれねぇが、隣で静かに涙を流すデクに向けられたものだったんじゃないかと思った。