第3章 予期せぬ再会(爆豪視点)
拘束が解かれ、狭まった視界は広くなった。その広くなった視界の先で捉えたのは、一年半前に両親を敵(ヴィラン)に殺され、行方不明になっていた筈の幼馴染みの玲奈だった。眠っているのか死んでるのか分からねえが、確かにそこに玲奈がいた。
最後に玲奈と話したのはヘドロ事件の後。俺の身を案じて心配して電話を掛けてきた玲奈に俺は酷い言葉を掛けた。本当は久しぶりに声を聞けて嬉しかったのに。悪態をつく俺に玲奈は元気そうで良かったと言って、涙ぐんだ声でそう言った。またね、なんて言って電話を切ったのに、それが最後の言葉になるなんて思いもしなかった。近くにいたのに、守れなかった。泣き虫の玲奈の事だ。泣いて叫んで助けを乞いたに違いない。なのにただの中学生だった俺は何も出来なかった。ニュースで玲奈の両親の死を知った。玲奈が消えたと知った。あの日程無力で何も出来なかった自分を許せなかった事はない。玲奈みたいな思いをする奴が二度と現れないように、俺はオールマイトを越えるヒーローになる、そう誓ったのに、なんで敵連合が玲奈を…!
「なんでオメェらが玲奈を…!返答次第では全員殺す!…いや、どんな理由があろうとオメェら全員殺す!」
後ろのドアがノックされ、それに全員が振り向いた。
「どーもォ、ピザーラ神野店です───」
激しい爆発音がし、壁が崩れた。現れたのはオールマイト。そして次から次へとプロヒーローが現れる。
「もう逃げられんぞ敵連合…何故って!?我々が来た!」