第21章 ヒューマンオークション会場
ドン!!ドォン!!!
突然、銃声が会場に響き渡る。
音のした方を見ると、いつのまにか銃を手にした天竜人が近くまで来ていた。
銃口からは煙が出ている。
「むふふふむふーんむふーん♪当たった
え~~~!!魚人を仕留めたえ~~~!!」
しまった。こんなおばさんに絡んでる場合じゃ無かった。
「『ハチ!!』」
ハチが血を流して倒れている。
何もできなかった。私の血の力とやらが目覚めていれば、あの天竜人の力を奪うくらいはできたかもしれない。
何が起こるか知っていたのに………。
この後、ハチは無事に助かる事は分かってる。でも、あんなに血を流してたら何もせずにはいられない。
『そうだ……!ロー!』
ここにはハチを助けられる適任者がいる。
『ねぇ!オペオペの実の能力でなんとかならない!?』
「あァ?何であいつを助けなきゃいけねェんだ。何の得がある。」
『得って……医者なのに、あんな怪我人放っといて良いの!?』
「生憎だが、俺はそんな善良な医者じゃねェ。第一、オペ道具も無ェし、俺の能力で傷口を塞ぐ事も出来無ェよ。天竜人に関わるのも御免だ。」
もう関わってんじゃん!!
(とは言えないので………)
『銃弾くらいは取り出せるでしょ!?』
「………俺の能力に随分詳しいじゃ無ェか。」
『ローの事ならよく知ってるよ!!』
なーんて言ったら、またボロが出るじゃん!!阿呆か!私は!
「………」
『ロー?』
ローは無言のまま席を立ち上がり、ハチの方へ足を向けている。
(あ、あれ?もしかして助けてくれる?)
慌ててカナエも後を追った。
すると、ステージの方から通路階段を登って来たルフィ。
ハチは悪い事をした報いだ、自分はドジだから迷惑ばかりかけてゴメンな……と、怒るルフィを鎮めようとしている。
しかし、ハチの制止を振り切り、ルフィは天竜人へ真っ直ぐ進んで行った。
「やめろムギ!!!おめェらもただじゃ済まねェぞ!!!」
ハチと一緒にいたヒトデのパッパグも止めるが、ルフィは聞く耳を持たない。
天竜人はルフィに向かって銃口を向けた。
「お前もムカツクえ~~~!!!」
ドン!!ドドン!!
(やっちゃえ!!!ルフィ!!!!!)
「ヴォゲァア!!!!!!」
ルフィは何の迷いも無く、天竜人を殴った。