第21章 ヒューマンオークション会場
「ケイミー探したぞ~~~~!!!よかったーーー!!!」
「ちょっと!!!待て麦わら!!!何する気だよ!!!」
ルフィ達が海賊だと気付き、会場がざわついている。
ステージにケイミーがいるのを見つけたルフィは助けようと走りだした。しかし、連れ出そうとすれば首輪が爆発してしまう。
焦ってルフィを止めるハチ。
タコの魚人であるハチは人間に変装していたが、服で隠していた4本の手を出してしまった。
「きゃああ~~~~~~!!!」
『!!』
カナエの前に座っていた化粧の濃い中年の女。ハチの様子を近くで見ていて魚人だと気付いた。
慌てたハチは手を離してしまい、ルフィはステージの方へ向かってしまった。
「魚人よ~~~!!!気持ち悪い~~~!!!」
女の叫ぶ声で客達がハチに注目した。自分とは違う異形の姿に、近寄るな、海に帰れと罵声を浴びせている。この諸島には人間以外の者を蔑む”差別”が根付いている。
「チッ………………ババァが………」
ローは目の前にいる女に向かって舌打ちをしていた。この女がきっかけを作った。
カナエは騒ぐ人々を見て唖然としている。
化け物でも見るような目。心無い言葉。自分は今、人間の闇を目の当たりにしている。
虫酸が走った。
でも、ハチは何も言わない。全てを受け入れているかの様だった。
そんな扱いをされるのは仕方無いとでも言うのか。彼等は人間と同じ様に息をして、考え、感情を持って生きている。自分達と何が違う?
ムカつく、ムカつく、ムカつく!!!
『ちょっとコラ!!おばさん!!!』
「え!?ヤダ!何!?」
カナエの怒りの矛先は、先陣きって悲鳴を上げた女に向けられた。
カナエは女を自分の方に向かせ、胸ぐらを掴んでいる。
「!?」
「カナエ!?」
ローやベポをはじめ、船員達は突然のカナエの行動に驚いていた。
普段から口の減らないカナエだが、野蛮では無い。
しかし、相手が何かしてきた訳でも無いのに殴りかかる勢いだ。
「いきなりどうしたの!?」
ベポはカナエを止めに入ったが、手を離さない。
『ハチとあんた達と何が違うって言うの!?金持ってるから偉いのか!調子に乗るな!!』