第21章 ヒューマンオークション会場
「何すんだよ!離せ!」
キッドはダイスケに、するずると引きずられて行ってしまった。
ハートの海賊団とはもう離れた方良い。
キラー達は誰も反論せずダイスケの後に続き、入り口近くの壁に寄りかかった。キッドは納得のいかない様子だったが。
(定位置に戻った………)
暫くすると、ステージに三角帽子をかぶった係員がマイクを持って現れた。
《それではみなさん長らくお待たせ致しました!!まもなく、毎月恒例1番グローブ
ヒューマン大オークションを開催致したいと思います!!》
客達は一斉にステージに注目した。遂に始まったと、歓喜の声を上げる者もいる。
《司会は勿論この人!!歩くスーパーバザールこと~!!!Mr.~~~~~ァッ!!!
ディスコ!!!》
出てきたのは、競りの司会者。星形のサングラスをした、ふざけた男だった。
《それでは早速オークションを始めましょう~~!!!》
ステージには首輪を付けられた奴隷達が次々と連れて来られ、競りが行われた。音楽家の家系だと言う海賊や、人間の男・労働力10人パック、20歳の踊り子の美しい女性、様様な人間が”商品”として出てきた。
客達は、我こそはと金額を示すプレートを掲げている。奴隷を買う事が、金と権力を持っている証だとでも言うのか。
『いったい皆どんな神経してんの………』
「ここにまともな奴なんていねェよ。」
『そうだね………………はっ!』
カナエは何かを思い出し、物凄い勢いで後ろを振り向いた。入り口近くには、カナエがここに来た1番の目的。
(うはぁぁぁ!!!サンジ!ナミ!フランキー!チョッパーーー!!!)
サンジが踊り子を買いたいと言って、ナミとチョッパーに蹴りを喰らっているところだった。キッドも一味が入って来た事に気付いている様子だ。
(ハチにパッパグまで!本格的になってきたぁ!!ってかサンジ!格好良すぎ!ナミのおっぱい触ってみたい!)
変態でミーハーなカナエは、もう目がハートである。
「カナエさん!俺にハートを!?」
後ろの席にいたシャチが反応してしまった。
『違うっ!!』
「お前らうるせェぞ。黙って前見てろ。」
「『すいません。』」
ローに怒られたカナエとシャチは大人しくする事にした。
ステージに再び視線を向けると、そこには髭を生やした海賊が立っていた。