第20章 おそろい!?
「「「黒い物?」」」
『そう。身に付けてると、血の力が感じ取られ難くなるんだって。』
ハートの海賊団は街に出て昼食を取っていた。明日から3日間、船はコーティング作業で使えなくなる。船を職人のいる55番グローブへ移動させて、作業中の宿泊場所が近場に無いか探しに来ていた。
「そう言えばあいつも黒いマスクを着けていたな。」
『うん。だから、私も最初は気付かなくて……効果はあるみたい。』
「お前………よく食うな。」
『え?』
「ホントだな。そのちっちぇ体のどこに入って行くんだ?」
カナエが食べていたのはチャーラーセット。シェアしようと頼んだ餃子や唐揚げを、カナエは男達と同じ勢いで食べていた。
しかも、炒飯大盛。
『お酒が無ければ米を食べる。』
「カナエ……その食欲は男並みだぞ……」
『ペンギンくん……私、そんなに食べてる?』
「ああ………」
「食べた分は身になる歳だぞ。気をつけろ。」
『うるさいなー、ロー。分かってるよ……』
「まぁ、食欲と何とかは比例するって言うからな。」
『ロー……それはやめて。』
「「ペンギン、何とかって、何だ?」」
ベポとシャチが揃って聞いている。ペンギンは言うかどうか迷った。シャチは無事でいられるだろうか。
「まぁ良いか。………………………………性欲。」
「ぶはっっっ!!」
「シャチっっ!!」
シャチは大量の鼻血を吹き出してしまった。ベポは焦っている。
「駄目だったか………」
「カナエさん!!そんなに激しいのか!?」
『シャチ!!ちょっとロー!!何か言ってよ!!』
「昨日は凄かったぞ。」
『そうじゃなーい!!それはあんたでしょうが!!』
「今度は五郎さんか………」
『何故その名を………!』
「じゅん………」
『やめさせてっ!もうやめさせて!!キャラ崩壊!!』
カナエは何者かに訴えた。
シャチは鼻血が止まらない。
賑やかな昼食を終えて、一行は外に出た。
ベポ、シャチ、ペンギンは船番を交代するため船に戻るとの事。
ローとカナエは”黒い物”を探すため、ショッピングモールに行く事になったが、別れ際にカナエは一つ思い出した事があった。
『ベポー!おめでとー!』
「あ!ありがとー!後でねー!」