第17章 ちょっと借りるぜ。
『私……こちらに来てからまだ間もないんです。力にはまだ目覚めてません。だから、何の力かも分かりません。捕まえたって利用価値無いですよ。』
これで諦めてくれれば良いが。
「随分落ち着いてんだな。もっと泣き叫べよ。俺が怖くねェのか?」
『何故か嫌いになれないキャラなので……』
「何言ってんだ、てめェ」
『あの……ダイスケさんの血の力は何なんですか?』
「だから、何なんでそんな冷静なんだ!!
………まぁ良い。ダイスケの力はさっき見ただろ。」
『じゃあ……!いきなりここに移動したのが………!!』
「瞬間移動ってやつらしい。」
何と言う事だ。それは主役級の能力ではないか。何故そんな男がキッドの元にいるんだ。
まるで7つの玉を集めるアレの様ではないか………!!
『オッス、おら悟「やめろ」
「ダイスケ、どうした………」
カナエの発言に間髪を入れずに突っ込んだダイスケにキッドが驚いている。
いつもはこんな様子じゃ無いらしい。
『人差し指と中指は額に当てなくて良いんですか………』
「しつこいぞ………!」
『ごめんなさい。』
カナエは色々言うのをやめた。
とにかく、ここから逃げ出さなければ。ローは……探してくれているだろうか。迷惑かけたく無い。早くどうにかしないと。
カナエが何か良い手は無いかと考えていると、キッドが近づきカナエの顎を鷲掴みにした。
『っ!?』
「お前の力……無理矢理、目覚めさせてやろうか?」
何それ!?そんな事出来るの!?
ってか、諦めてよ!!!
「お前らは精神的に追い込まれると、力が目覚めるらしいな!」
『そうなの!?』
「ハートの海賊団を全滅させるか……お前を死ぬギリギリまで痛めつけるってのも良いな………!!」
『どっちも嫌なんですけど!!』
「てめェの意見なんざ聞いてねェんだよ!!うるせェ女だな!!」
するとキッドはカナエの顎を掴んだままソファに押し付けた。
『痛………!!』
「このまま犯してやってもいいんだぜ……!トラファルガーはどう反応するだろうな………!!!」
まずい………!!
この展開は非常にまずい!!!