第14章 敵襲?
「離れろ。臭ェんだよ。」
「失礼ね!結構値の張る香水なのよ。」
「何故、攻撃してきた。殺されてェのか?」
「やぁね。ただの挨拶じゃない。あんな砲撃くらい貴方の船なら避けられるでしょ?」
「あァ。訳無ェ。」
(何か仲良さげ……ずっとくっついてるし。)
カナエは二人のやり取りを見て、旧知の仲なのは分かった。以前、行動を共にしていたのだろうか。ローはよく分からないが、シュルティの態度を見るとそれ以上の関係性が伺えた。
(昔の女か………)
心がモヤモヤする。
かつて二人は愛し合っていたのだろうか。
久しぶりの再会で、シュルティは随分喜んでいる様に見える。まだ気持ちが残っているのか………ローは………?
(はっ!何を勝手な妄想してるんだ!………これじゃあ、やきもち妬いてるみたいじゃん………)
ローはカナエに俺の女になれと言ったが、それに答えてはいない。目の前に現れた昔の女に心が揺らいでも、気持ちがはっきりしないカナエには関係の無い話だ。
「ねぇ、ロー。今夜は再会を祝してパーティーを開きましょう!うちの船でもてなすわ。」
「別に祝う必要は「ヨッシャー!酒だー!」
「シャチ………てめェ………」
ペンギン、ベポを含め船員達は気が進まない顔をしている。皆酒の席は好きな筈なのに。
シャチとカナエだけが乗り気なようだ。
(いっぱい飲んじゃお。)
酔ってしまえば、このモヤモヤも忘れるだろう。
その日の夜、両船は気候が落ち着いたこの海域に錨を降ろした。
(何だこの船は………!!!)
ハートの海賊団は揃ってシュルティの船に乗り込んだ。船内に入るとカナエは驚愕した。
豪華なシャンデリアに革張りのソファ。船員達は男性ばかりで、全員スーツを着用している。
『ベポ。凄い船だね………ホストクラブかここは………』
「何?それ?シュルティの趣味だよ。俺にはよく分かんないけど………」
「さぁ、皆さんお座り下さい」
スーツを着た船員に促され、皆ソファに座り始める。カナエはベポを挟んだローの反対側に座ろうとした。
「お前はここだ。」
ローはカナエの腕を掴み、強引に自分の横に座らせた。ベポとローに挟まれていると
カナエは見えなくなってしまいそうだ。
「特等席だろ。」
『狭いんですけど………』