第3章 何かのイベントですか…?
(何これ……力が全然入らない……)
カナエは体を起こそうとしたがピクリとも動けなかった。
かろうじて目が少し開けられた。
(何かすごくだるい…疲れが溜まり過ぎてたのかな…頭もボーっとする…)
「ね!キャプテン!居るでしょ!」
「あァ…居たな…」
男性の声がする。
ちゃんと鍵は掛けたはずなのに、部屋に誰かが居る。
カナエは恐怖を感じたが、体が動かない。何とか視線を声のする方に向けた。
(……クマの着ぐるみ……)
まわりを見てみると見覚えの無い場所。
(あれ…ここ…家じゃない…?)
一体、何がどうなっているのか。
今のカナエには考える事が出来なかった。もう一度クマがいた方に視線を送る。
良く見ると、オレンジ色のつなぎを着ていて、二足歩行している。
(何かどこかで…)
知っている気がした。でも頭が回らない。
(もう一人居る…?)
シロクマの隣に立っている男性。
カナエは驚いた。
(イケメンがローのコスプレをしている…!)
カナエはいきなり頭が回転しだした。
(何この人!超かっこいい!ってか雰囲気とかハマりすぎ!!
帽子もパーカーもそのままじゃん!
あんなに大きい刀も雑じゃない作り!!
あっ!思い出した!あのクマはベポだ!
あの毛並み、すごい気持ちよさそ~!
……何なんだこの人達は……)
『クオリティ高い…』
カナエは考え過ぎて意識を手放した。