第13章 航海の日常
ベッドは本棚の横にある。カナエは少し
横に目をやると、ローの寝顔が見えた。
(いつもの俺様な顔と違う………可愛い。)
こんな男前な顔は間近で見た事が無い。カナエはベッドの横に座り込み、ローの顔をまじまじと見始めた。
(ホントにイケメン………隈が目立つけど……これがまたセクシー的な……ってか、私が来たのに寝てるなんて船長として油断しすぎじゃ………自分の船だから?)
色々と考えていると、突然ローの目が開きバッチリと目が合ってしまった。
『!!!』
「何だ。抱かれる気になったか?」
気が付けば、がっちり腕を掴まれていた。
『お、おはようございまーす………朝食お持ちしましたよ…………わっ!』
カナエは凄い力でベッドに引きずり込まれてしまった。
「話をそらすな……見てただろ……」
ローはカナエを押し倒し、額に唇を落とした。
『ぅわっ……さっき起きてたんですか!……昨日今日でそんな気になりません……』
「…………だったらキスぐらいさせろ。あの男とはしてただろ。」
『……………………………………え?』
「ん?」
カルロの事だ。でも、ローのおかげで寸前で免れた。
『してませんよ……危なかったですけど……』
「…………」
そういえばあの時、ローはカルロの背後から来たのでそう見えたのかもしれない。
『もしかして……それで……』
怒っていた?カナエに暴言も吐いた。
「チッ…………」
ローは頭をがしがし掻きながらベッドを降り、カナエに背を向けておにぎりを食べ始めた。
「本が好きか。随分見てたが。」
(あ。話変えた。)