第12章 覚悟しろ。
『あ…………』
「………」
ヤバい。言ってはいけない事を言ってしまった。
「てめェこそあいつらの何が分かる…!!」
(ですよねーー!!めっちゃ怒ってるー!!!)
ローが怒るのも無理は無い。共に命を懸けて
死線を潜り抜けできた仲間達だ。
『すいません……!!あの……これ以上迷惑は掛けられないので……もう船には乗せて頂かなくて結構です……!この町に置いて行って下さい!お世話になりました!さようなら!!』
「!?……おいっ!!」
カナエは勢い良く走り出して行った。
「メスクマちゃぁぁぁん!!」
「!?」
ベポがいきなりローに抱きついて来た。大きな体の下敷きになり、ローは身動きが取れなくなっている。
「ベポ……!そこをどけ……!!」
「あ……あれ!キャプテン!?何してるの?」
「てめェが抱きついてきたんだ……!」
「えェ!?ごめんね!………良い夢だったなぁ………」
ローはベポから抜け出し、店の中を見渡したがカナエはどこにも居なかった。
「チッ………出て行ったか……」
「あれ!?キャプテン、カナエは?」
「ここには居ねェ。行くぞ。」
いくら治安の良い町だと言っても、海賊の蔓延るこの時代。暗い夜道では何が起こるが分からない。
「えっ!いなくなったの!?何で!?」
「いいからお前も探せ!!」
「アイアイ!キャプテン!」
二人は店から出て、カナエを二手に別れて探す事にした。