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例のイケメンは凶暴な男。【ONE PIECE 】

第40章 宴だ!



「お前中学生か?10代なのか?TL 以下だぞソレ!」

『ぐっ……!笑うな!てか、TL っていうワードを知っているアンタがキモい!!』

「んなっ!いくつになってもキュンキュンする気持ちは大事だろうが!」

『地に足つけろ!おっさん!!』

「キィィィィ!!!」


分かっている。
くだらない、幼稚な悩みだと。
自分が行動を起こせば直ぐに解決する事だ。

でも、イッカクと直接対決する度胸も、本人に面と向かって聞く勇気も無い。

「聞けば良いじゃん、ローに。どっちが好きなのー!?って。プッ、昼ドラかよ。」

『………はぁ、言ってるそばから……。いるんだよなー。こういう奴。』

特に男にはこういうタイプが多い気がする。
気持ちが云々よりも、なんと言うか、合理主義と言うものか。

「何だよ。一番近道だろ?」

『分かってますよ。……でも、正直怖いじゃないですか。』


本当の気持ちを知るのが。


好きな気持ちは確かだ。
だが、喧嘩上等な彼女よりも、それが勝っているだろうか。

ローの心の中は、イッカクと自分と、どちらの割合が多いだろう。

彼女よりも愛されているのか。
そもそも自分は、彼の心の中にいるのだろうか。

確固たる自信が持てない。
マイナス思考がお祭り騒ぎだ。

愛されていないかもしれない。
そんな答えに行き着いてしまう。


「おーい。スズキー?」


勇気を出して、ローに直接気持ちを聞いたとして。
イッカクの方が大事だと言われたら。

ポーラータング号には、もう乗れない。

この世界に居られない。

居る意味が無い。


『…………。』

「な、何泣いてんだよ……。」


皆とも、お別れた。


『……うぅ……。トミダさんなんか死ねば良いのに……。』

「俺に当たるな!」

『帰りたくないです……。』

「はぁ、ネガティブだよなぁ、お前。フラれたらサニー号に来いよ。ルフィに頼んでやるからさ。」

『仲間ヅラすんな!!』

「仲間だよ!!」


帰りたくない。離れたくない。

本当の気持ちなんて聞かずに、全てをうやむやにしてしまおうか。

この際、二股には目を瞑って。
相手にして貰えればラッキー、ぐらいに思って。
ハートの海賊の一員として、何も知らない顔して船に乗ってしまえば。

ずっと皆と一緒に居られる。

ローの傍に、ずっと一緒に。
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