第40章 宴だ!
『何でここにいるんですか?』
「チョッパーの付き添いー。」
仲違いしているネコマムシの旦那とイヌアラシ公爵は、顔を合わせる事が無いように、昼と夜とで生活を分割して暮らしている。
月が出ている時間は、イヌアラシ公爵を含め銃士隊等、右腹の砦にいるミンク族は就寝時間だ。
ネコマムシの旦那が起きている時間はチョッパーが診察にやって来る。見張りも兼ねて。
『そういえば旦那がいない……。』
「ベッドで安静にしてるよ。来たら、がっつり飲んでるからさ、チョッパーが激怒して連れて行った。」
『なんかすみません……。』
旦那を止めなかったのは自分達だ。
むしろ、盛り上げてしまった。
「良いんじゃね?旦那、元気そうだし。俺はすっげーうまい唐揚げ食べられたしな。」
『あれ、カエルですよ。』
「げっ!!マジか!!鶏肉じゃねぇの!?」
そのカエルの唐揚げを作ったのがシャチだと聞いて、更に驚いている。
サンジ程とはいかないが、シャチの料理の腕前に感動したらしい。
が、そんな事はどうでも良い。
麦わらの一味にとって運命の日が、刻一刻と近づいている。
『そっちは変わり無いですか?』
「ん、何にも。」
『見守るしか出来ないってのは辛いなぁ。』
「まあな。何がどう転ぶかは分かんねぇけどさ、俺は出来るだけの事をするよ。」
『「俺、悟ってます。」みたいな事言わないで下さいよ、トミダさんのクセに。腹立つ。』
「………………俺は、早くナミのドレス姿が見たいんだ。」
『それでこそトミダさんです。』
二人揃って、酒を一口。
サンジが連れて行かれる日まで、あと少しだ。どうにかしてあげたいけれど、どうにもできない。
その時が来たら冷静に対処するしかないと、トミダは酒を飲み干した。
「で、お前は何でコソコソしてんだよ。」
『あー、エヘ。』
「可愛くないぞ。」
ごまかそうと、肩を上げて舌をペロっと出してみたが無駄だった。
白状しよう。
『実は、かくかくしかじかで。』
「はあ!?マジくっだらねぇ!」
トミダは大口を開けて笑い始めた。
彼の態度に頭の血管が切れそうになったが、その通りだ。
本当にくだらない。